ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
マツダ技報No.31(2013)ることが確認できる。さらに発電中のエンジン動作点をプロットしてみたところFig. 11のようになった。この結果から,式(1)のa1, a2をFig. 4の点線になるように設定したことが効果的に作用しているといえる。これらの結果をまとめると,SU-LEVを満足しながら,電力収支バランス,熱効率,走行フィーリングを同時に満たしていることが示された。VehicleSpeed(km/h)AcceleratorPosition(%)SOC(%)EngineSpeed(rpm)GeneratedPower(kW)RichPurgeFeeling FunctionSOC targetFig. 10 Result of Driving Test of JC08 ModeEngine Power(kW)40302010Operation pointB.T.E(%)30 High2520150Low1000 20003000Engine Speed(rpm)Fig. 11 Distribution of B.T.E During JC08 ModeVehicleSpeed(km/h)MotorPower(kW)[sec]ところ,発電電力上昇時にオーバシュートが抑えられていることと,モータ出力低下時に速やかに発電電力が0になっていることが確認できた。このように,追加した機能が有効に働きながらJC08モードを走行できていることが示された。また冷間でのモード走行では,バッテリの温度上昇がPinの回復をもたらすため,一時的に低下してしまったSOCが再び回復することが確認された。7.おわりに本稿では,レンジエクステンダEVの発電制御において,耐環境性や信頼性を確保しつつ,電力収支バランス,熱効率,走行フィーリングの3つの要求を同時に満足する発電制御法を提案した。この制御法では,熱効率を考慮した発電量モデル(4.2節)に対して電力収支と走行フィーリングとを考慮した評価関数を逐次最小化しながら目標発電電力を決定するモデル予測制御法をベースとして採用した。そして,その制御法に,排気エミッション浄化システム,エンジン始動停止条件,バッテリ保護機能などを組み合わせることにより,高度な要求(2章)を同時に満足する発電制御技術を実現した。参考文献(1)柏木ほか:プレマシーハイドロジェンREハイブリッドの紹介,マツダ技報,No.27 , pp.26-30(2009)(2)若山ほか:ハイドロジェンREハイブリッドシステムの開発,マツダ技報,No.27 , pp.31-35(2009)(3)大室ほか:電動車両の走行フィーリングを考慮した発電制御法,自動車技術会春季大会前刷集,No.7-13, pp.13-18(2013)GeneratedPower(kW)■著者■BatteryPower(kW)[sec]Fig. 12 Result of Cold Driving Test6.2高電圧バッテリの保護を要する場面の走行バッテリのPinとPoutが低下する場面の代表として,冷間環境においてJC08モード相当の走行実験を行った。この実験に際し,バッテリの充放電可能電力が十分小さくなるまで(-10℃環境下で24時間程度)事前に車両を冷却した。その状態から,JC08モード走行を行った結果(一部)をFig. 12に示す。まずバッテリへの充放電電力(充電側がプラス)の挙動から,放電のみで走行していることが分かる。これは,バッテリのPinを守りながら走行できていることを示している。また,このエンジン発電量の挙動を詳しく見た大室朗堂園一保藤川裕志胡本博史―148―