ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

No.31(2013)マツダ技報Mesh makes for every segmentWith layer meshSegmentFig. 4 Calculation Model of RE Movement4.シミュレーションによる予測技術モデルに比べてポート入口付近の流れに関しても可視化計測結果から離れる結果となった。これは,レシプロエンジンのバルブ上面での剥離流れのように,複雑な流れ場を形成しづらい構造であるREでは,Standard k-εモデルを使用した方が流れ場の再現性を確保できるということがいえる。以上のことから,本論文で行った解析パラメータの中では,メッシュサイズ1mm ,乱流モデルはStandard k-ε乱流モデルを用いた条件で最も可視化計測結果を再現できることが分かった。4.1燃焼室内流動解析技術(1)(1)計測及び解析条件比較対象としたPIV可視化計測結果は,千葉大学大学院とマツダとの共同研究で計測した結果(4)を用いた。可視化エンジンは,マツダRX-8に搭載している13B型RE(654cc×2)をベースとし,計測は全負荷条件(1500rpm WOT)で行っている。これに対して,解析では,同条件におけるメッシュサイズ,乱流モデルといった解析パラメータを変更した解析を行い,流れ場を計測結果と対比する。そして,その中から最適な解析パラメータを選定し,RE用流動解析技術を構築する。(2)メッシュサイズの影響-240deg.ATDCにおけるPIV可視化計測結果をFig.5(a)に,平均メッシュサイズを1mm,2mm,4mmと3仕様変更した際の流動解析結果をFig. 5(b)に示す。乱流モデルは,Standard k-ε乱流モデルを使用した。-240deg.ATDCは,ポート開口部が閉まる前6degであり,面積は約25%しか開いていない状態である。PIV可視化計測結果では,ポートからのガス流入による流れより容積変化による影響が大きくなっており,ロータにガスが押されることでポート入口付近に流れが生じていることが分かる。これに対して,解析結果は,メッシュサイズ2mm以上では,メッシュサイズに関係なく大きな時計回りの渦を形成しており,細かな流れを再現できていない。メッシュサイズを1mmまで小さくすると,L側の反時計回りの流れについては再現できていないが,ポート閉後の燃焼室内流動に影響を及ぼすポート入口付近に関しては,PIV可視化計測結果と同様に流れ場を再現できている。(3)乱流モデルの影響Fig. 5(c)に高レイノルズ数型k-ε乱流モデルの中で,Standard,RNGと2つの乱流モデルを変更した際の流動解析比較結果を示す。メッシュサイズは1mmとした。剥離流れや旋回流に対して精度が良いとされるRNG k-ε乱流モデルを使用した場合,L側の反時計周りの渦を再現できておらず,また,Standard k-ε乱流PIV(a) PIV MeasurementMesh sizeTurbulent modelVelocity (m/s)1mmStandard k-ε2mmRNG k-ε4mm (c) Influence of Turbulent Model(b) Influence of Mesh SizeFig. 5 Comparison of Flow Pattern in Rotor CenterSection at -240deg. ATDC4.2燃焼パターン予測解析技術(1)流動解析手法による流れ場での燃焼解析予測精度前節において構築した流動解析手法を用いて均一予混合燃焼解析を行った。Fig. 6に,熱発生率及び熱分配における冷却損失と排気損失の割合の実験結果と解析結果を比較した結果を示す。特徴的な熱発生率のカーブである二段燃焼を解析では再現できておらず,また,損失に占める冷却損失と排気損失の割合が予測できていないことから,予測精度が悪いことが分かる。―151―