ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
マツダ技報No.31(2013)5.3実機による燃焼促進効果の検証以上の効果を検証するため,実機を用いた計測を行った。机上検討と同一運転条件でのVG有無による実機での熱発生率をFig. 15に示す。VGを装着することにより,机上検討結果と同様に,-5deg.ATDC付近から燃焼が促進されていることが分かる。Heat release rate (J/deg)5Without VG wingWith VG wing-20 -10 0 10 20 30 40Eccentric Angle(deg. ATDC)Fig. 15 Bench Engine Test Result onHeat Release Rate with and without VG更に,VG有無による燃焼の違いを明らかにする目的で,可視化エンジンを用いた燃焼観察(5)を行った。可視化結果をFig. 16に示す。VGありの場合,なしに比べ輝度が高くなっており,L側空間で燃焼が活発に行われていることが分かる。また,実機テストによる熱分配解析結果から,VGを装着することにより冷却損失割合を約3%低減できることが明らかになった。(2)燃焼パターンの予測には,主燃焼ピーク後の火炎面後退を再現することが重要であり,Tスキッシュ流速の予測精度の改善を行うことで,二段燃焼を再現できた。(3) L側空間にVGで乱流を生成させることで,燃焼を促進させつつ,冷却損失低減が可能であることが机上及び実機において確認できた。次期ガソリンRE開発では,各種損失の中で特に冷却損失の改善を目的に開発を行っている。現在,本文で述べたL側空間の燃焼促進による熱効率改善の考え方を適用することで,熱効率を大幅に改善できることを確認している。この事実に基づき,ガソリンREの開発を加速している。参考文献(1)中島ほか:ロータリエンジンにおける詳細素反応を用いた流動・燃焼解析技術の構築,第23回内燃機関シンポジウム講演論文集,B1-05(2012)(2) Yun, J. et al.: Understanding of The CombustionCharacteristics of Rotary Engine through CombustionAnalysis, Proceedings JSME of The 8thCO-MODIA, No.12-201, pp.585-590(2012)(3)奥井ほか:ロータリエンジンの火炎伝ぱに及ぼす点火プラグ配置の影響,マツダ技報,No.27 ,pp.142-147(2009)(4)森吉ほか:ロータリエンジンのサイクル変動に注目したガス流動場の解析,第20回内燃機関シンポジウム講演論文集,20090078(2009)(5) Jaber N. et al.: Amelioration of Combustion ofHydrogen Rotary Engine, International Journalof Automotive Engineering, Vol.3, No.3, pp.81-88(2012)■著者■Fig. 16 Visualized Combustion with and without VGin L-side6.おわりに机上でガソリンREを対象とした燃焼予測技術の構中島聖尹正虎本郷均築を行い,構築した予測技術を用いて燃焼改善による熱効率改善の方向性を確認した。その結果,以下の知見を得た。(1)平均メッシュサイズ1mm,乱流モデルは,Standard k-ε乱流モデルを用いれば,RE独特な流れ場を再現可能である。植木信也香川良二横畑英明―154―