ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
DisplayControl SwitchGas FlowOZONE MONITOR OZM‐5000GAammeterControl Volume冷却水O3 ON異常Pressure GageGas FlowGas out Gas inObservationwindowマツダ技報No.31(2013)化装置を空気流量計の下流に配置し,燃料気化装置内の多孔質焼結金属フィルタに燃料を噴射することで,気化を促進させている。また,Fig. 1中Bに示すO3発生器で生成したO3を燃料気化装置内で空気,燃料と混合させてエンジン筒内へ導入した。更に,燃料気化装置とエンジン本体の間に配置したサージタンク内から,混合気をサンプリングし,O3濃度を測定している。O3生成には,沿面放電法,紫外線法,パルスパワー技術の応用等さまざまな手法(5)(6)があるが,今回は,石英ガラス2重管の間隙に無声放電を発生させ,その間隙へ原料ガスを流すことでO3を生成させる無声放電法を使用した。また,レギュレータで100kPa(相対圧)に減圧した圧縮空気ボンベからの空気を原料ガスとした。また,O3濃度は,原料ガスの流量及び,O3発生器の出力で20~80ppmに調整した。このときの原料ガス流量は0.02~0.08g/sの範囲である。O3発生器,O3濃度計は,それぞれエコデザイン社製ED-OG-S3,オキトロテック社製OZM-5000G2を使用した。Table 1 Engine SpecificationsEngine type4-Stroke single cylinderDisplacement volume 392 cm 3Bore×Stroke76×86.4 mmCompression ratio 18.0:1Intake valve open-close timing 3deg.BTDC - 30deg.ABDCExhaust valve opne-close timing 40deg.BBDC - 8deg.ATDCFuel systemMixerFuel Gasolione (91RON)A MixerO3 resolverO3 meterOKITROTECPower SwitchAir flow meterAirB O3 generatorGas analyzerSurge tankSingle cylinder engineFig. 1 Experimental Setup2.2筒内ガス温度解析自己着火温度を求めるためには,筒内ガス温度を高精度に求めることが重要である。また,排気改善要因分析にも,未燃ガスが高温による酸化を伴うことから,筒内ガス温度を高精度に求めることが重要である。筒内ガス温度を直接計測する手法は存在するものの,容易かつ高精度に計測できる手法は少ない。そこで,本研究では,比較的容易に計測可能な筒内圧力計測,吸気流量計測,燃料流量測定の結果から高精度に筒内温度を算出できる手法を検討した。その算出手法を以下に示す。理想気体状態方程式は,筒内圧力P(絶対圧) ,筒内容積V ,筒内混合気質量m ,気体定数R,筒内ガス温度Tとすると式(1)となる。PV ? mRT(1)式(1)における筒内圧力Pは,筒内圧力計測にて測定でき,また,筒内容積Vは,エンジン諸元より幾何学的に求めることができる。なお,本稿において計測した筒内圧力Pは,300サイクルの平均圧力を用いた。次に、筒内混合気質量mは,吸入ガス質量mair(O3を含む),投入燃料質量mfuel,残留ガス質量mresとすると式(2)で表すことができる。m? mair?mfuel?mres(2)このため,筒内混合気質量mの定量化には,残留ガス質量mresまで計測する必要があるが,吸気系への残留ガス流出入,排気系への吸入新気の吹き抜け等があり,その測定は極めて困難である。そのため,従来の筒内圧力を使った温度計算では,残留ガス質量mresを上死点体積等から仮定するか,吸気弁閉時の温度T0を仮定するなどして決定していた。今回,この残留ガス質量mresを圧力計測結果から算出した値と吸気流量測定結果から算出した値の整合性から真値を算出することで精度向上を図っている。以下に,その算出方法を示す。吸気流量と燃料流量の和,すなわち,筒内への流入質量をMIntakeとすると,MIntakeと,微小クランク角dθ間に吸気管から流入する吸入気体の時間微分値dminは,吸気開弁時期IOから吸気開弁時期ICの期間において式(3)の関係にある。MIntake?IC? dm d?(3)IOinここで,時間微分値dminは測定した筒内圧力Pと吸気管圧力Pinの差圧,バルブとヘッド間の開口面積A,バルブ及び吸気ポート形状に依存する流入係数Ccfinなどで計算することができる。すなわち,式(3)の右辺はCcfinを除くと,圧力測定結果から算出可能であり,左辺は,吸気流量測定,燃料流量測定の結果から求めることができる。一方,吸気側から流入するエンタルピーHinは,筒内への流入質量MIntake,吸入気体の定圧比熱Cp,筒内流入前の吸気弁近傍混合気温度Tinを用いて,式(4),式(5)で表すことができる。HHinin?IC? dH d?(4)IOIntakein? M ? C ?T(5)Pin―156―