ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

No.31(2013)マツダ技報いる比率が高いことがわかる。Fig. 9 The Number of Fatally Injured Pedestrian foreach of Vehicle Maneuvers and Injuring Objectそこで次に,直進において,加害部位をJNCAPで評価対象である車体に絞った歩行者頭部保護性能と保有台数1万台当たりの死亡の関係性を見たグラフがFig. 10である。決定係数がFig. 8の0.133から0.193と上昇している。この決定係数の差は統計的に有意であるとまではいえないが,相関加害部位を車体に絞ることにより,歩行者頭部保護性能の影響がより強まった可能性はあると考えられる。Fig. 11 The Number of Fatally Injured Pedestrianfor Each of Vehicle Maneuvers and Danger-CognitiveVelocity危険認知速度を40km/h以下と40km/h超に分けて「歩行者頭部保護性能スコア」と「保有台数1万台当たりの死者数」の関係を見たグラフがFig. 12とFig.13である。Fig. 10 Relationship between PHPS and theNumber of Fatally Injured Pedestrian per 10,000Registered Vehicles (Going-Straight, in Case WhereHuman Body Collided with Vehicle Body)次に速度についての検討を行う。Fig. 11は危険認知速度と行動類型で分類した死者数を表している。直進が非常に多く,かつ,速度が高くなるほど死者数が多くなっていることがわかる。ここで,危険認知速度とは,運転者が衝突相手を認め,危険を認知した時点の速度である。Fig. 12 Relationship between PHPS and theNumber of Fatally Injured Pedestrian per 10,000Registered Vehicles (Going-Straight, in Case WhereHuman Body Collided with Vehicle Body, under theCondition of Danger-Cognitive Velocity that is 40km/hor Less)Fig. 13の決定係数は0.269となり,Fig. 10の0.193から相関が上昇している可能性がある。Fig. 10と比較し,40km/h以下のFig. 12では相関が見られないが,この理由としては,低速は衝撃エネルギーが小さく,性能の差が表れない領域となっていることが考えられる。JNCAPの性能は,衝突速度が0から44km/hまでをカバーしており,それ以上の速度領域はカバーできていないと考えることがある。しかし,今回のように,危険認知速度40km/h以上の速度の事故を全て加味しても,その性能が良い方が歩行者の傷害が低いことが示され,現在評価されている歩行者頭部保護性能は,―165―