ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
- ページ
- 197/228
このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている197ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている197ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2013 No.31
マツダ技報No.31(2013)り外す作業では,リユース,リマニファクチャリングの解体とは異なり,バンパが破壊されても効率良く解体できることが必要である。また,解体シナリオとしては,解体事業者の既存の設備/道具で汎用性の高い方法が求められる。解体事業者の通常設備であるホイストによる上方への引き上げでの取り外しが最も主流になると予測し,フック位置や外れやすさを検証した。効率的にバンパが解体できるように,2代目アクセラの開発段階で,ヤマコー(株)の協力を得て,バンパをホイストで引き上げる解体実験を行った。フックをかける位置によって,バンパが破断して車体に残ってしまうケース(Fig. 7)や,締結が強いために車体が浮き上がってバンパを取り外せないケースもあった。Fig. 7 Broken Bumperそこで,車体が浮き上がらず容易に取り外せるように,車体との締結穴に薄肉構造を採用して締結部が破断しやすくし,部分的な破断を避けるために力がかかる部分には補強構造を取り入れ一体で解体できるようにした(Fig.8)。この構造を取り入れたバンパにて解体業者で実験したところ,バンパはちぎれずに一体で取り外せ,効率的に解体できるとがわかった(Fig. 9)。この構造を2代目アクセラに採用し,以降の新型車に順次採用を拡大している。Fig. 9 Dismantlement Test of Bumper Designed for Recycling(2)リサイクルしやすい材料「リサイクル設計ガイドライン」制定前にはウレタンなどリサイクルしにくい材料がバンパに使われることもあった。「リサイクル設計ガイドライン」により,バンパには,リサイクルしやすい材料としてポリプロピレンを採用し,更にバンパフェースと同じ材料で,ラジエータグリルやロアメッシュ等の構成部品を成形している。そのため,リサイクルの際にそれぞれの構成部品を外さなくとも,分別することなくまとめて粉砕できる。(3)分別の容易化樹脂部品には一目で材料がわかるように,材料記号が記載されており,バンパはポリプロピレン製で,>PP<のマークが入っている。(4)再生材料の利用使用済み部品の回収・リサイクルでは,系列販社から回収した損傷バンパから新車バンパへのリサイクルを業界に先駆けて推進してきた。更に,この損傷バンパのリサイクルで培った技術を廃車バンパに応用し新車バンパの材料としてリサイクルすることを可能にした。Table 1に,マツダのバンパリサイクル活動を示す。Table 1 Mazda Technology Development andImplementation on Bumper RecyclingFig. 8 Thin-Walled and Strengthened Constructionin FasteningsYear19922001200220032005ContentsRecycling damaged bumper to undercover wascommenced.Recycling damaged bumper to bumperreinforcement was commenced.Recycling damaged bumper to grained bumpersurface was commenced.A technology to recycle damaged bumper tosmooth bumper surface was developed.Continued recycling damaged bumper tosmooth bumper surface was commenced.―190―