ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)特集:新型マツダアクセラ3新型アクセラの軽量ボデーシェル開発~SKYACTIV-BODYの更なる進化~Development of New AXELA Light Weight Body Structure~Further Evolution of SKYACTIV-BODY~要約中村岳司*1森本誠*2田中潤一*3Takeshi NakamuraMakoto MorimotoJunichi Tanaka玄道俊行*4Toshiyuki Gendo新型アクセラは,CX-5・アテンザに続き,デザインテーマ「魂動」を,よりエネルギッシュで躍動的に進化させたエモーショナルなデザインに,優れた実用性を兼備した商品である。CX-5・アテンザの市場導入によってブラッシュアップしたSKYACTIV-BODYに更に磨きをかけることで,スポーツコンパクトとして秀でた運動性能を実現することを目指した。本稿ではこの高い運動性能とデザイン意図を忠実に表現するためのベースとなる軽量・高剛性ボデー開発について,その実現手段を紹介する。SummaryFollowing the Mazda CX-5 and the Mazda ATENZA, All-New AXELA is Mazda’s another SKYACTIV-BODY product that is superior in usability and embodies the design theme“KODO”in a more energeticand dynamic manner. New AXELA was aimed at realizing a superior dynamic performance as a SportCompact Car by further honing the SKYACTIV-BODY that had already been brushed up since the launchof CX-5 and ATENZA. This paper outlines development activities for a light-weight high-rigidity bodystructure, which is the basis for the high dynamic performance and emotional design of the New AXELA.1.はじめに新型アクセラはセダン,ハッチバックの2つのモデルを持つマツダの主力車種である。双方とも現行モデルに対し各性能を飛躍的に向上させながらホワイトボデー質量はベストインクラスとすべく,CX-5,アテンザで熟成してきたSKYACTIV-BODY (1)の更なる進化を求め開発した。同時に魂動デザインコンセプトを,よりエネルギッシュで躍動的に進化させ,見る者の心を瞬間的にとらえて魅了するような圧倒的な造形美と優れたパッケージングの両立を目指した。構造体として最適なフレームワークを採用し,構造部材一つ一つの性能に対する寄与度を分析し,最適化を図り,高張力鋼板の使用拡大を行うことで,高剛性で,かつ軽量ボデーシェルを実現した。本稿ではこの軽量化の考え方・手法を紹介する。2.新型アクセラのSKYACTIV-BODY新型アクセラでは,SKYACTIV-BODYの考え方を踏襲しつつ,CX-5,アテンザから以下の項目について進化させた。2.1マルチロードパスの進化新型アクセラでは,マルチロードパスの考え方を更に進化させることで,これまで寄与の薄かった部材にも機能配分を行い,薄板化を実現した。例えば,Cピラーレインフォースメントとルーフレールレインフォースメントを結合することでリヤヘッダへのロードパスを追加した。この構造の採用により側面衝突時にBピラーレインフォースメントからの荷重をルーフ部へ効率よく伝えることができる(Fig.1)。また,#3クロスガセットの稜線を直線的に通すことで部品の耐力を高め,サイドシルの侵入を抑制する構造とした(Fig. 2)。*1~4ボデー開発部Body Development Dept.―14―