ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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概要

マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)対してはタイヤやブッシュのたわみを使い,大きな路面入力に対してはダンパをより積極的にストロークさせるように減衰力特性を設定した。新型アクセラではこれに加えて,リヤダンパのボトム側バルブに応答性の向上した改良タイプを採用し,大きな路面入力の領域だけでなく小さな路面入力による微振幅領域においてもダンパの追従性を向上させた。(2)ロードノイズ性能ロードノイズ性能では,CAE解析を用いてタイヤからボデーまでの伝達経路のからくり解明を行い、サスペンションブッシュ特性の最適化とリンク&アーム剛性の最適化を行った。ブッシュ特性については,まず詳細な経路分析を行うことで車内音に対して寄与の高い部位を明らかにした。その上で,パラメータスタディを繰り返し行い,操縦安定性とロードノイズ性能を高次元で両立する特性を決定した。加えてブッシュのラバー材料の工夫を行い動的ばね定数の低減を行った。リンク&アーム剛性については,サスペンション部品ごとの共振点配置を明確化し,共振点が重なり合わないように,各部品の剛性を最適化した。具体的には,CAEを用いてサスペンションの振動モードを可視化することで,ロードノイズに寄与の高い部品を特定した。この結果,リヤロアアームのアーム軸方向の剛性低減がロードノイズの低減に効果が高いことを見出した。更なるブッシュの剛性低減で対応すると,ヒステリシス増加など操縦安定性への影響が大きいため,アーム本体の剛性低減の検討を行い,強度・信頼性と剛性が両立できる構造・形状・板厚を決定した(Fig. 7,8)。4.達成性能新型アクセラで実現した達成性能の代表例を紹介する。4.1軽快感Fig. 9は車速によるヨーレイトゲインの変化を示す。サスペンション特性とステアリングギアレシオの見直しにより,中低速でのヨーレイトゲインを増加させ,現行モデル,欧州競合車,アテンザと比較しより軽快に,高速ではSKYACTIV-シャシーで実現した後輪のコーナリングパワーを高めてヨーレイトゲインを低くする手法を継承し,アテンザとほぼ同等の安定感を実現した。0.3More agile than currentmodel and EU A0.25Yaw Rate Gain0.2More stable than currentmodel and EU A, and stayat the same level of AtenzaEU A0.150 50 100 150 200Vehicle Speed [km/h]New AxelaCurrent AxelaAtenzaFig. 9 Improvement of Yaw Rate Gain4.2人馬一体感Fig. 10は,操舵力とヨーレイトの関係を示す。操舵力の小さい操舵初期の領域においてヨーレイトの立ち上がりがリニアになっており,旋回初期の応答のリニアリティを実現した。Fig. 7 Rear Suspension Deformation ModeYaw Rate (deg/sec)Focus AreaLinerNew AxelaCurrent AxelaSteering Wheel Torque(Nm)Fig. 10 Steering Torque ? Yaw rateFig. 8 Shape of Rear Lower Control Armサスペンションの初期からの動きのつながりの良さから感じられる応答性の良さに加えて,しっかりとしたフィードバックが得られている(Fig. 11)。これらによって新型アクセラで目指した「人馬一体感」を実現した。―22―