ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
No.31(2013)マツダ技報4.2主要ユニット仕様(1)コネクティビティマスタユニット(CMU)スマートフォンは年1~2回の割合でミドルウェアが更新され,ユーザはアプリケーションをダウンロードすることで機能を追加することができる。本システムにおいても,車両購入後に機能追加を行うことを可能とするために,システムに拡張性を持たせている。本システムの中核をなすCMUは,ソフトコンテンツの進化に追従することを目的として車両所有期間となる数年をカバーできるハードウェアスペックを採用した。Table 1にCMU内のマイコン,メモリと主なスペックを記載する。Table 1 CMU Tip SpecificationsTipSpecificationSoCARM Coretex-A9VIPInterface between CMU and Vehicle systemBoot RAM CMU Startup:16MBDRAMCMU Acting:1GBNVRAMCMU Sleep:1GBFLASHLanguage data:4GBCMUは全仕向で共通のハードウェアだが,ブートRAM/FLASHに出荷仕向ごとで異なるソフトをプリインストールし種類を持たせている。また,内部ソフトはHUBユニットのUSBを経由して容易にアップデートすることを可能とした(Fig. 7)。Fig. 7 Updatable Software(2)チューナアンプユニット(TAU)ラジオチューナ及びアンプ機能をもつTAUにおいても今後採用する機能に対応すべく,将来を見据えたハードウェア構成を持たせている。マーケットにより求められるラジオチューナも異なる。北米であればアナログのAM/FMラジオチューナだけでなく,HDラジオ放送やサテライトラジオ用チューナも必要となる。マーケットの違いにより,メイン基板上のラジオチューナを入れ替える構造を持たせることで,例えば今後欧州のデジタル放送DAB対応やサテライトラジオチューナ世代交代に対しても,このチューナ部を載せ替えることで,将来の拡張性に対応した構造とした。4.3ユニット間の通信方式機能ごとに分割したユニット間の通信は業界標準方式を採用し,それぞれについて以下のように仕様を決めて,低コストと高フレキシビリティを両立した。(1) CAN通信ユニット間でコマンド通信をする場合にはCANを採用している。本システムの中心となるCMUとTAU,CD,TVユニット間がそれにあたる。CAN上に流れる信号は主にCMUからの制御信号や各ユニットの状態,更にはディスプレイ上に表示するテキストデータやメタデータの情報である。トラフィックの増加による車両側ECUの通信への影響を回避するために,車両通信とは切り離した専用のプライベートCANを採用した(HS-CAN)。ただし,CMU本体は車両のパブリックCANと接続している(HS-CAN)。そしてCMU本体は車両の仕向地や装備情報をセントラルコンフィグレーションによって信号を受け,ハードウェアはグローバルで1種類を実現している。(2) LIN通信CMUとコマンダ間の通信には,LINを用いている。信号としてはコマンダの操作情報であるメインダイヤルの回転情報,5つのボタン押下情報,そしてボリュームダイヤルの回転情報となる。通信速度の面ではLINで問題なく,7本のハードワイヤで接続する場合に比べて,1本の接続で済むため通信チップ増加分を考慮してもコスト面で最適な手段といえる。(3) RS-485通信CMUとTAU間の通信にはCAN通信以外にRS-485を採用している。本通信ではデジタルラジオ放送のアルバムアート,トラフィックデータやVICS情報などの画像情報転送に使用する。RS-485の特徴として,USBなどの通信方式と比べて通信プロトコルが容易であること,またノイズにも耐性があり自動車では実績もある。通信速度仕様を500kbpsとすることで性能を満足する設計としている。(4) LVDS通信CMUからディスプレイへ画像転送する通信方式として,車両搭載デジタル画像通信として業界標準であるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)を採用している。映像をデジタル伝送することで画像品質の向上を図った。またLVDSの特徴として,映像信号のほかにコマンド通信も可能であるため,伝送路2本のみで映像通信とディスプレイのタッチ情報や輝度調整などが可能となる。その他として,著作権保護の観点からHigh-bandwidth Digital Content Protection(HDCP)を搭載した。同様のデジタル伝送で著作権保護付きの通信方式としてHDMIが考えられるが,コスト,業界実績を検討した結果,LVDSを採用した。―27―