ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
マツダ技報No.31(2013)3.2表示設計ドライバの有効視野内での表示は,視線移動は楽になる反面で「煩わしさ」の懸念がある。そのため表示は必要なコンテンツを必要なタイミングで,わかりやすくすることに注力した。(1)表示コンテンツとサイズ表示するコンテンツは,コクピットでの表示機能を明確に配分した結果,走行環境に応じて刻一刻と変化する安全に走るための情報に限定した。具体的には,車速,経路誘導(ターンバイターン),アクティブセーフティ警告である。常に車速は表示し,それ以外は必要な時に適切なサイズで表示をするようにした。文字サイズは基本3パターンを用意し,情報種類とシーンに応じてFig.6のように使い分ける。人間が見やすいとされる文字サイズはISO (2)にも記載されていて,推奨値が20~22分となっている。アクティブドライビングディスプレイの表示では,常に数字が動いている車速はそれよりも大きいサイズで最小24分とし,車速のみで表示する場合は42分まで大きくしわかりやすくした。オートクルーズの設定車速値や経路誘導時の距離については20分,また単位は記号として認識していて読み取るものではないので12分までとしている。この考え方で表示領域は必要最小限で画角は1.34°×2.68°あれば良いということになり,前述の光路設計における拡大率から実像であるディスプレイは7.7mm×15.3mmのサイズが必要ということになる。光源ディスプレイは,上記のようなマルチ表示をさせるためドットマトリクスタイプで解像度128×64のVFDタイプを採用した。このタイプはTFTのようにバックライトが必要のない自発光式のため,搭載スペースを大きく取らないためユニット全体のコンパクト化に貢献する。(2)表示色と輝度昼夜の外界色を背景とした表示となるので,あらゆるシーンにおいて影響を受けにくい表示色の選定が必要となる。想定される背景色に対して,埋没しにくい表示色としてブルーホワイトを選定した。輝度については夜間に明るすぎず,昼間には晴天時や雪道で視認しやすいレベルを実走行で確認しながら5~3300cd/m2と決定した(Fig. 7)。Daytime(Road surfacecolor, Body color)EveningNighttimeFig. 7 Color Study3.3コンバイナ設計凹面鏡としての役割を持つコンバイナは,ドライバの正面に立ち虚像表示を映し出すのと同時に,煩わしさの低減のため表示の向こう側も見せるハーフミラーとなっている。前述の表示コンテンツと色の選定で見やすくしているものの,前方視界要件からこのコンバイナ上端位置の高さが制限されるため,特に背の高い人にとってはコンバイナの裏側に道路だけでなく車体の一部が重なる場合がある。したがって,今回はコンバイナの透過率を50%としその煩わしさを最小限とした。ただし透明度合いが少なくなると,コンバイナ本体が煩わしくなるので視界要件よりも高さを極力低くして,さらに端面を3次元加工してドライバへの光の反射を抑える工夫をしている(Fig. 8)。Vehicle SpeedTurn by TurnFig. 8 Combiner ImageLane guidanceActive SafetyFig. 6 Characterドライバの背の高さによって表示高さを調節すること,及び表示輝度の調節はセンタディスプレイのメニューにある設定画面で行うことができる。表示高さは実際には,コンバイナ回転軸にギヤを介して接続したモータを駆動してコンバイナの傾きを変えることで調節する。輝度は後述する自動調光のON/OFF,ON時のレベル調整,OFF時の固定輝度レベルの調節ができる(Fig. 9)。―36―