ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
No.31(2013)マツダ技報な動きをボデーに表現している。ボデーのフロントからサイドを目一杯使って走るキャラクタライン,ライン間の面が生み出す陰影に至るまで,新型アクセラにはデザインのこだわりが詰まっている。デザインのこだわりを表現するためには,キャラクタRと面を忠実に表現することと,その流れを遮断しないことが重要となる。Fig. 1にデザイン意匠を再現するプロセスを示した。このプロセスに沿って,3章でキャラクタRの再現で重要となる線ズレ対策,4章でデザイン意匠を表現するボデー造り,5章でボデー精度のカギとなるプレス部品の精度向上,6章で車体アセンブリでの精度向上,7章で車両まで含めた寸法精度向上について事例を交えながら述べる。The measure for reproducing a design faithfullyEmbodiment of the character RStampingProcessDesignTRY-OutStamping areaSimulation technologyDouble linemeasureProspective Die formVerification technologyRelation of the character R and Embodiment of all designBodyQualityandDimensionalcontrolDesignTRY-OutChapter 7Clarification and share of a concentration partClarification of the aim value for every partsAccuracy improvementof quality key parts・high-tensile steel partChapter 3Body assembly areaChapter 5Chapter 4Chapter 6Body build which inherited part accuracy・The accuracy change for every process is managedCar build which inherited part accuracy・The factor investigation and the measure againstchange between processesFig. 1 The Process of Reproducing Styling3.線ズレ対策3.1キャラクタRの実現と線ズレ対策シャープなキャラクタRを具現化する上で最も重要なことは,第1にキャラクタRの印象をプレス部品で忠実に再現すること,第2にプレス成形時のキャラクタRと鋼板の初期当たりが曲げ癖として見えないようにすることである。しかしながらこの両者は相反する関係にあり,キャラクタRがシャープになればなるほど曲げ癖が強くなり,線ズレという外観品質不具合を発生させやすくなる。これまで,線ズレは定量評価できるまでには至っておらず,成形シミュレーションでの予測が困難だった。金型製作後に線ズレが起きてしまった場合,対策によっては割れ/しわなどの他の不具合へ発展してしまうこともあり,微妙な金型の調整を繰り返してきた。そのため,金型製作前に線ズレを定量評価し,外観品質を保証する技術が必要不可欠である。そこで,過去の事前検証結果と不具合現象とを総ざらいし,線ズレの発生メカニズムを再度解明しなおし,検証技術の向上を果たした。その事例を次に紹介する。3.2見える線ズレと見えない線ズレを定量化鋼板が金型(ポンチ側)に接触し,ある値を超えて塑性変形した場合に曲げ癖として残り,線ズレと呼ばれる不具合現象になる。この現象を机上で検証できるようにするには,その曲げ癖が見えるか否かを定量的に予測する技術が必要となる。鋼板が金型に接触した時の圧力を計算し,軌跡を追い,その過程と成形完の位置がどのような形状部になるかを総合的に検証できるようにしてきた。具体的には,メッシュのかけ方や大きさ等を工夫した計算精度向上と,塑性変形が起きる面圧の閾値や線ズレが見えない形状など,それまでの知見を基に実機との一致を確認しながら線ズレの評価技術を構築し,検証方法として確立させた。見える線ズレか見えない線ズレかを検証できるようになったことで,対策の幅が生産工程だけでなく,デザインへも広がった。デザイン部門へ線ズレが起きないキャラクタRを伝え,デザインの意匠を崩さない範囲でのキャラクタの形をデザイナと一緒に決めていけるようになった。これにより,デザインと生産性を高い次元で両立し,シャープなキャラクタRの具現化に大きく貢献している。3.3デザイン意匠を崩さない線ズレ対策キャラクタRから受ける印象は,Rの大きさそのものよりRの幅の影響が大きい。すなわち,R止まり間の距離を一定にし,その中でRの大きさを変えても,キャラクタRは同じに見える。そこで,デザインRの幅の中で,材料と接触して痕になる部分だけRを大きくして痕に残らないRを作る,あるいは接触部をずらすことで線ズレ対策を実施しデザイン意匠を崩さないようにした(Fig.2)。対策が完了するまでには,デザイン部門やボデー設計部門と数多くのやり取りと試行錯誤を積み重ね,デザイナなど関係部門の協力を含めたキャラクタR実現プロセスを構築した(Fig. 3)。Double linepressure≧ThresholdDouble linepressure≧Thresholdinto the RadiusNGOKfirst impactR edgefirst impactR edgeR edgecharacter RDoublelinevisible Double lineRedgeDoublelineSoft contact&The amount of slips is reduced(It stops in the character R)invisible Double lineFig. 2 The View of the Measure Against Line Gap―39―