ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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概要

マツダ技報 2013 No.31

No.31(2013)マツダ技報射出成形による材料物性値の異方性,あるいは鋳造の冷却や鍛造の塑性加工などに起因する部品の残留応力などを,専用のモデルで予測している。これにより,異方性を前提とした適切な形状の設計や,残留応力を低減するための構造や工法の開発を,開発部門と生産部門が共同で取り組むなど,モデルの活用によって,開発初期に生産を含めた品質の作り込みが可能となりつつある(Fig.7)。Fig. 7 Residual Stress Model of Cylinder Head4.おわりに以上が,市場要求の把握から生産品質の開発までモデル主導で進めていくプロセスであるが,このプロセスに必要なモデルは,ソフトウェアのように購入すれば良いものではなく,自分達で構築していかなければならない。そのためには,複雑かつ膨大な現象を実験主体で解明し,それを開発技術として使えるモデルに整備する必要があり,それに要する工数や費用は開発全体において非常に大きな割合となっている。しかし,高い商品力を持った製品を効率的に開発し続けるには,モデルの整備とその駆使,すなわちMBDが必要であり,MBDこそが車の開発そのものであると確信し,この取り組みを一層加速させている。今後も,MBDによって,SKYACTIVテクノロジーを更に進化させ,市場のサプライズを伴う高いお客様価値の商品を続々と提供していく計画である。■著者■藤川智士―47―