ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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概要

マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)能)を切り出し,一部のみC言語化する技術を開発してC言語生成時間を改善した。また,先に記した自動組み込み機能を組み合わせることで,簡単かつ高速にモデリングツールから高速MILS環境へのモデル反映が可能となった(Fig 9)。得し,次に実行タスクでこの入力値の結果を使って演算を行う。そして,出力部分で計算結果を信号バスに返す仕様としている(Fig. 11)。入力→実行→出力の実行スケジュールは,単一の計算コアしか持たない計算機器においても有効となるため,直列実行と並列実行の間で,計算結果の等価性を保つことができる。言いかえれば,ユーザの利用環境によって検証結果が異なることを防止している。Fig. 9 Controller Model C-Conversion Time(4)並列計算による高速化高速MILS環境には,SKYACTIV-G制御モデルとこれに接続される他の制御や制御対象モデルが複数搭載されている。そのため,C言語化による高速化を実現しても,接続するモデル数の増加やそれぞれの詳細度が増せば,必然と検証速度は低下していく。そこで,これら問題の影響を低減し,更に検証速度を改善した効率的なシステムとするため,新たに並列計算技術を開発した。並列化による検証速度の改善効果をFig. 10に示す。Fig. 11 Framework of Parallel Computing(5)自動レポートシステム制御モデルは複数の技術者によって並行開発されているため,各技術者が全体の影響を全て把握することは困難である。そこで,基本的な走行条件については,高速MILS環境での実行結果に対する,自動レポート機能を構築することでPASS/FAILを自動判定して品質確認をサポートしている。(6)高速MILS環境の機能項目高速MILS環境では,机上での検証項目拡大を図るために以下に示す検証機能を開発した。a.全パラメータのキャリブレーション機能b.自動走行機能c.各種センサやスイッチをフェールさせる機能などFig. 10 Improvement Effect by Parallel CalculationSystem並列演算の構成は,高速MILS環境の構成(Fig.6)を活用し,各モデル(DLL)単位で計算コアを分散する構成としている。そして,実行スケジュールは,入力→実行→出力の3タスクに分けることで,全てのモデルが前回の計算結果を使って計算する仕組みとした。入力タスクで信号バスから各モデルの計算値を取5.机上検証システムの適用事例5.1高速MILSによる検証高速MILSは,SKYACTIV-Gの制御モデルを中心に,幅広い制御開発領域に適用を図ってきた。具体的には,「駆動力制御」,「DSCとのブレーキ協調制御」,「i-ELOOP(減速エネルギー回生システム)制御」,「クルーズコントロール制御」等である。実際の適用事例を2つ紹介する。―52―