ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
No.31(2013)マツダ技報(事例1)駆動力制御走行性能と燃費のために常に最適な駆動力を発生させるには,パワートレイン全体を制御する必要がある。そのため,エンジン制御とTCM間で通信を行い,発生トルクとギヤ比を常に最適な状態に制御しなければならない。そこで,高速MILSに搭載されたエンジン制御とTCMの通信機能を活用し,お互いの基本動作を検証した。更に実車よりも高速に検証できる機能を活用することで,机上でさまざまな走行パターンを再現し,駆動力制御の初期品質向上を図った。を実現し,更に,高速MILS環境の実現によって短時間で制御モデルの動作検証が可能となった。また,検証事例のように机上検証領域を拡大させることで,制御開発において,品質確保と短期開発を両立することができた(Fig. 14)。(事例2)クルーズコントロール制御高速MILS環境のGUI(Fig. 12)を操作することで,実車相当のクルーズコントロールスイッチ操作が再現可能となった。Fig. 12 High Speed MILS GUI in Auto Cruse Switch実際にドライバ指示(GUI入力)によって設定車速が操作できる。オートクルーズON状態で,「SET+」スイッチを押しこむとオートクルーズの設定速度が次第に上がっていく。そして,道路の勾配変化が発生しても,制御が働き,目標車速を維持していることが確認できる(Fig. 13)。また,さまざまなテストケースを検証することによって,机上でオートクルーズ制御の基本品質向上を図ることができた。Fig. 14 Improvement of Verification Time7.おわりに以上のように,制御開発のV字プロセスを手戻りなく進めるために,検証システムを充実させ,机上開発の領域を拡大してきた。また,この机上検証システムを活用することで,制御開発V字プロセスの右バンクに移る前段階で,高品質の制御開発を実現できた。今後も「サステイナブル“Zoom-Zoom”」を実現していくパワートレインの進化と技術開発において,MBDを更に発展させ,制御の品質確保と短期開発を両立しながら更なる効率化を図っていく。参考文献(1)江角ほか:SKYACTIV-G制御技術の紹介,マツダ技報,No.29 pp.36-40(2011)(2)寺岡ほか:エンジンの制御系仮想開発環境と新型エンジン開発への適用,自技会論文集No.20124464 Vol.43(2012)■著者■臼田浩平小森賢三吉拓郎Fig. 13 Test Results of Auto Cruse Control本城創久禮晋一6.机上検証システムの改善効果V字左バンクにおいて,静的解析システムの自動化―53―寺岡陽一本城創久禮晋一