ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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概要

マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)6.7音響放射特性最適化トランスミッションユニットからの放射エネルギーの対策は,まずトランスミッションケース断面形状を球面化させることで,ポテンシャルの高いケース形状とした。更に車内へ伝搬する放射エネルギーのうち,ケース表面のどの部位からのエネルギーが寄与しているのかCAE及び実験的に求め,寄与の高い部位にリブなどの対策を集中的に実施することで,無駄のない最適な対策を実施した(Fig. 17)。参考文献(1) J.Doi,et al.: Neues Automatikgetriebe SKYACTIV-Drive von Mazda, ATZ Automobiltechnische Zeitschrift113, September 2011, pp.682-687(2) J.Doi,et al: New MAZDA SYKACTIV-Drive AutomaticTransmission, 10th International CTI Symposiumin Berlin, A3(2011)(3)田辺裕樹ほか:広角捻りダンパーの非線形振動分析,動力伝達系の最新技術2008,pp. 1-5(2008)(4)宮本崇史ほか:SKYACTIV T/Mユニット同時開発に対するギヤノイズ解析の適用,動力伝達系の最新技術,pp.1-6(2012)■著者■Surface Velocity (dB)BaseImprovedFrequency (Hz)工藤健志田中和宏佐野徹Fig. 17 Surface Integral Velocity of Transmission Case6.8ギヤノイズ性能改善まとめモデルを用い上記開発を行うことで,ギヤノイズ性能目標を最小限の質量で達成した。その結果,SKYACTIV-DRIVEは6速ATにもかかわらず,当社既存5速ATに対し,トランスミッションケースでは8%の軽量化を達成し燃費改善に貢献した。7.おわりに新型自動変速機“SKYACTIV-DRIVE”は,モデルベース開発を適用することにより,燃費・走り性能とNVH性能を高次元で両立させた。(1)一括企画により,企画段階からNVH性能の骨格となるシステム・部品を機能配分により造り込んだ(2)こもり音/振動については,駆動系ねじり振動特性をモデルベースで見直し,広角低剛性ダンパを採用することで走行中の全域ロックアップを実現した(3)ギヤノイズについては,CAE技術を駆使し開発プロセスを見直し,システム最適設計を行うことでギヤノイズ性能と軽量化との両立を実現した今後も,更にモデルベースによる機能配分を進化させ,品質の向上を継続し一層の商品力の向上を実現していく。―66―