ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
- ページ
- 74/228
このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている74ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている74ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2013 No.31
No.31(2013)マツダ技報特集:モデルベース開発13要約WLTCに対するi-ELOOPの適用Application of i-ELOOP for WLTC小谷和也*1久米章友*2水落洋行*3Kazuya Kotani Akitomo Kume Hiroyuki Mizuochi平野晴洋*4Seiyo Hiranoマツダは,技術開発の長期ビジョンである「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」に基づき,「ビルディングブロック戦略」を推進している。i-stopに続くStep2として,減速時の運動エネルギーを回生し,車の使用電力として再利用するi-ELOOPを2012年発売のアテンザから導入した。また,各社からも減速エネルギー回生技術が提案されており,減速エネルギー回生技術が重要な技術となっている。本稿では,WLTC(Worldwide harmonized Light duty driving Test Cycle)におけるi-ELOOPの妥当性を確認するため,ブレーキ協調機構,パワートレイン(以下,PT)停止機構の有無による減速エネルギーの回収率を試算し,「つくる」「ためる」「つかう」の観点で分析を行った。SummaryBased on the long-term vision of technology development, "Sustainable Zoom-Zoom", Mazda hasbeen promoting "Building Block Strategy". As the second step of this approach, a new regenerativebraking system "i-ELOOP" was introduced to the market in 2012, which regenerates the energyfrom decelerating vehicle and reuses it as electric power consumed by the vehicle. Recently not afew companies presented various types of the regenerative braking systems, which will continue tobe an essential technology from now on. To confirm the validity of "i-ELOOP" in WLTC, the systemwas analyzed in difference of recoverable energy due to the presence or absence of cooperativeregenerative brake or engine stop mechanism, and the results are shown as follows.1.はじめにマツダは,「ビルディングブロック戦略」に基づき,減速時に失われる運動エネルギー(以下,減速エネルギー)を回収し,車の使用電力として再利用するi-ELOOPを導入した(1)。各社からも減速エネルギーを回収し再利用するシステム(以下,減速回生システム)が提案されており(2)(3),減速エネルギー回生技術が重要視されている。また,現在国連では安全で環境性能の高い自動車を容易に普及させる観点から,自動車の安全・環境基準を統合し,国際的な相互承認を推進することが検討されている。その中で,CO2の排出量を計測する走行条件について,世界の走行条件を代表する全世界共通のテストサイクルとしてWLTCが検討されている。本稿では,多くの減速回生システムが提案される中でi-ELOOPの妥当性を確認するため,ブレーキ協調機構, PT停止機構の有無による減速エネルギーの回収率をWLTCで試算し,「つくる」「ためる」「つかう」の観点で分析を行った。2.減速回生システムの概要減速エネルギーはフライホイールで直接運動エネルギーとする方法や,電気エネルギー,圧力エネルギーに変換して回収する方法がある。特に電気エネルギーとして回収する方法は,オーディオ,ライトやモータなどさまざまな再利用手段がありハイブリッド車でも用いられている。今回の検討で取り扱う減速回生システムも,一般的な方法である電気エネルギーとして回収し,再利用するシステムを対象としている。減速エネルギーは大きく分けて摩擦ブレーキ損失,PT抵抗損失,走行抵抗損失として失われる。例えば,*1~4パワートレインシステム開発部Powertrain System Development Dept. .―67―