ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

No.31(2013)マツダ技報12V以上の蓄電装置を利用する場合,従来の12Vで動作する電装品の損傷を回避するため,蓄電装置と12V電源とは分離する必要がある。更に,60V以上の蓄電装置は感電すると人に有害な影響を与えるため,人が感電しないための対策が必要となる。5kWの発電機を採用するi-ELOOPは最大25Vの高電圧電源と電装品に電力を供給する12Vの低電圧電源の2電源システムとなっている。次に,蓄電装置の容量を考慮し,発電機で変換された電気エネルギーの回収量について分析を行った。蓄電装置が30kJまではブレーキ協調機構,PT停止機構の有無による差は少なく,明確な差を出すには60kJ以上が必要だと考える(Fig. 15)。Regenerative Energy (kJ)2000100000RG4RG1RG2RG320 40 60 80 100 120 140Storage Capacity (kJ)Fig. 15 Effect of Storage Capacity Given toRegenerative Energy in Driving Cycle次に,蓄電装置の容量と発電機で変換された電気エネルギーの回収率について分析を行った。RG1は35kJで80%,60kJで95%,RG4では85kJで80%,140kJで95%の回収率となる(Fig. 16)。Recovery Ratio ofRegenerative Energy Potential (%)100500RG1RG3RG2RG4Required Storage CapacityCoverage80%95%RG135kJ~60kJ~RG265kJ~100kJ~RG350kJ~100kJ~RG485kJ~140kJ~20 40 60 80 100 120 140Storage Capacity (kJ)Fig. 16 Relationship between Storage Capacity andRecovery Ratio of Recoverable Energy Potentiali-ELOOPでは発電機の出力は入出力特性に優れたキャパシタに蓄え,蓄えた電気エネルギーは並行して大容量の鉛バッテリに移動させている。その結果,25kJのキャパシタで蓄電装置の容量35kJに相当する80%以上の回収率を実現できる(Fig. 17)。EstimatedRegenerativeEnergyAlternatorTarget SOCEDLCRemove to Batteryfor Next RegenerationDC-DCconvertorLead Acid BatteryFig. 17 Schematic Diagram of Dual Charge ini-ELOOP4.3「つかう(電力利用)」減速回生システムでは,発電機で変換された電気エネルギーと車両で使用する電力(以下,消費電力)のバランスが取れていることが必要となる。例えばWLTCの場合,おおよそ30秒~2分ごとに減速するため,毎分得られる電気エネルギーと消費電力が等しければ減速回生システムを効果的に利用しているといえる。RG1が得られる電気エネルギーを平均化すると最大27kJ/min , RG2は最大46kJ/min , RG3は最大39kJ/min,RG4は最大62kJ/minとなる。消費電力は空調,ヘッドライトなどの電装品の作動状態の影響を受け,空調を使用しない昼間で約10~18kJ/min,夜間は約15~23kJ/minである。空調を使用する場合は昼間で約22~33kJ/min,夜間は27~38kJ/minである(Fig. 18)。Peak Power (kW)1015050.5LowBoost(Engine Assist)Engine starting& Rotation synchronizationRG1Electrical drive(Low Speed Cruising)HighMidElectrical Cmponent(Ignition / Audio / Light / Fan)RG3RG2Driving Cycle: WLTCElectric AirCompressorRG40 10 20 30 40 50Regenerative energy / Electric Power Consumption (kJ/min)Fig. 18 Relationship between Regenerative Energyand Electrical Power Consumption仮に電装品の消費電力38kJ/minを減速エネルギーで供給する場合,39kJ/minの電気エネルギーが得られるRG3が適している。その場合,消費電力が10~18kJ/minのシーンでは,29~21kJ/minが余剰となるため有効に利用する機能を追加することが適している。例えば3~5kWのモータを利用すればエンジンを補助―71―