ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

No.31(2013)マツダ技報(2) DMFモデル先述のとおり,DMFは2つのマス(プライマリ/セカンダリフライホイール)が弾性部材と摩擦部材で接続されていることから,Fig. 9のようにイナーシャ,バネ,摩擦要素を組み合わせることでDMFモデルを構築した。Fig. 12に示す。DMFが共振する場合(Fig. 11),DMFのねじれ角の速度(プライマリフライホイールとセカンダリフライホイールの角速度差)が減少しているタイミングで着火が発生する(図中×印)と角速度差が増大し,その後ある瞬間にねじれ角速度と燃焼タイミングとが逆位相となり,これにより共振現象が発生することが分かった。Fig. 9 DMF Model Schematic4.2モデル精度検証始動時の実機の回転数,筒内圧,クランク角挙動などが先述のエンジンモデルの挙動と一致するよう燃焼モデルや冷却損失モデルのパラメータを調整した。更にエンジンイナーシャと機械抵抗を適切に設定することで,実機の筒内圧及び回転数挙動を再現することが可能となった。エンジン挙動を再現した結果をFig. 10に示す。再始動時の筒内圧挙動及び回転数挙動を精度良く再現できていることが分かる。Engine Speed [rpm]Experiment Simulation1200100080060040020000 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5Time [s]Fig. 11 Combustion Timing at Resonance一方,共振が発生しない場合(Fig. 12),DMFのねじれ角速度が減少中の着火ではねじれ角速度が増大する方向であるが,ねじれ角速度が増大中に着火が発生すると(図中○印),ねじれ角速度差が急激に減少し,その後DMF共振が収束することが分かった。以上より,燃焼タイミング(着火時期)をねじれ角速度差のピークに対して進角側にすることで,共振を収束できることが明らかになった。Cylinder Pressure [MPa]8765432100 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5Time [s]Fig. 10 Simulation Result of Engine Model5.共振コントロール技術確立5.1 MBDによる共振コントロール技術の検討(1) DMFねじれ角制御技術の開発先述のエンジン始動モデルを用い,共振が発生する場合の筒内圧とDMFの挙動の違いを明らかにした。評価は,始動完了までの各燃焼の着火時期をモデル上で任意に変更することで行った。結果をFig. 11及びFig. 12 Combustion Timing at No-Resonance確認のため,始動から3回目の燃焼までを共振発生時と同条件とし,それ以降の燃焼で着火時期を進角さ―77―