ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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概要

マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)せる評価を行った(Fig. 13)。4回目の燃焼以降(図中△印),ねじれ角速度差の変動幅が徐々に減衰し,最終的に共振が回避できることが確認できた。1000with controlwithout controlImprovement of fluctuationEngine Speed[rpm]50000 400 800Time[s]Fig. 15 Experimental Results of Restart from -138degATDC between with and Without DMF Torsion Angle Control6.おわりにFig. 13 Effect of Shift of Combustion Timing(2)ハードウェア仕様の選定DMFの仕様選定により共振を最小化するために,先述のDMFねじれ角制御を適用し,エンジン停止位置や始動時の噴射量を同一としDMF共振周波数を変えて始動時間を評価した(Fig. 14)。この結果,DMFの共振周波数が低いほど始動時間が短縮(共振しにくい)できることが明らかになった。これにより,DMF採用の本来の目的である走行時の車両振動性能を改善しながら,始動性能に対して最大限有利となる仕様選定をCAEにより行った。1.210.8Start time[s]0.60.4CX-5に採用されたSKYACTIV-D i-stopの開発では,開発のさまざまな段階で,モデルベース開発を適用することにより,従来の実車を相手に実験を繰り返す開発手法から脱却し,開発期間を劇的に短縮できた。今後も本手法の適用範囲を更に拡大し,お客様にマツダ車らしい「感動的なドライビング体験」を提供できる車を効率的に開発していきたい。参考文献(1)猿渡ほか:マツダi-stop(アイ・ストップ),マツダ技報,No.27,pp.9-14(2009)(2)中本ほか:新型ディーゼルエンジンのアイドルストップ技術,第22回内燃機関シンポジウム,pp.415-420(2011)(3) H.J.Curranほか:A Comprehensive ModelingStudy of n-Heptane Oxidation, Combustion andFlame, Vol.114, pp.149-177 (1998)■著者■0.2012 13 14 15 16 17DMF system frequency[Hz]Fig. 14 Engine Start Time ? Frequency Relation5.2実機検証前述の共振を最小化するDMF仕様を適用し,DMFねじれ角制御技術の有無による第一圧縮行程気筒のピストン停止位置-138deg.ATDCから再始動した時のエンジン回転数挙動の違いをFig. 15に示す。制御なしの結果と比較し,DMFねじれ角が抑制されることにより始動後半のエンジン回転数500rpm付近を中心にエンジン回転数が大きく振れる現象が抑制されているのが分かる。中本仁寿中島宏幸朝倉浩之寺岡陽一田賀淳一―78―