ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
No.31(2013)マツダ技報Inertance level (dB)Frequency (Hz)車体側においても,実走行状態のエンジンルームや車内の多点計測,更にスピーカ加振による遮音量計測もあわせて行うことで,主要伝達経路であるダッシュパネル下部からアンダ構造にかけて更に詳細に経路分析を行った。それぞれの寄与率を求めることで,Fig.17に示すような,ダッシュパネル下部からアンダ構造部に設定しているインシュレータ及び,車内フロア領域のコンソール内部に効果的な遮音材の設定を行っている。Fig. 14 Transfer Function of CrankshaftSPL (dB)knocking noiseImprovedOthersFloor(Consol)24.0%Dashpanel(under side)49.9%Frequency (Hz)Fig. 15 Improved Design Effect on Knocking Noise4.4伝達経路への遮音対応DEノック音の車室内への伝達を効率よく制御するため,主要伝達経路に着目し,エンジン・車体による最適な遮音設定を行っている。音源であるエンジンについては,アコースティックカメラによる音場解析により,排気系側の発生部位を更に詳細に切り分けを行い,部品別の寄与率を求めることで,Fig. 16に示すようにシリンダブロックやオイルパン,排気系部品などに効果的な遮音材を設定した。Oilpan(ExhaustOthersExhaustsystemCylinderblock(Exhaustside)Oilpan(Frontside)11.1%Fig. 17 Insulation Cover of Vehicle Components5.まとめマツダは出力,燃費,エミッション性能を高次元でバランスさせつつ,従来型を上回る静粛性を達成した新世代クリーンディーゼルエンジン,SKYACTIV-D 2.2Lを搭載した新型アクセラを開発した。(1)開発初期より,ノック音の伝達経路に基づいた重要機能の絞り込みと,その機能をCAEと実機検証により強化する開発プロセスに取り組んだ。これにより効果的な対策を行い,高い環境性能と両立しつつ大幅なノック音の低減を実現した。(2)ピエゾインジェクタによる精密な噴射制御に加え,着火環境予測モデルにより,定常だけではなく過渡時の熱発生率コントロールも行うことで,加速シーンでの適切な燃焼加振力に制御することを行った。(3)主要な伝達経路内でエンジン・車体トータルで伝達特性や遮音機能を最適化することで,重量やコストとの高次元な両立を行った。今後,重要機能のモデルベース開発を加速させ,お客様に走る歓びと高い環境性能・快適性を提供できるよう,SKYACTIV-Dの更なる進化を目指していく。Fig. 16 Insulation Cover of Engine―89―