ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

ページ
99/228

このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている99ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2013 No.31

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)2.ノック発生~点火時期制御の流れPowertrainノックが発生するとFig. 1のように,燃焼室内の空洞共鳴を励起し,増幅した圧力波が燃焼室壁面を加振することでエンジン全体が振動する。この振動(加速度)をシリンダブロック吸気側壁面にあるノックセンサで検出している。KCSは上記振動を周波数分析することで,気筒/サイクルごとに特定周波数帯での強度を算出し,振動強度の頻度分布を推定している。その分布の標準偏差などから算出した閾値(Kσ)を振動強度が超えた場合,ノック発生と判定する。Vibration IntensityResonance ofCombustion ChamberCombustion CycleEngine VibrationDue to Cylinder PressureKnock SensorMeasurement PointDistribution of Vibration IntensityThreshold (Kσ)Frequency (%)Vibration IntensityKnockCombustion ChamberFig. 2 Finite Element Model3.2解析手法計算はモーダル周波数応答解析(NASTRANSolution 111)で燃焼室-PTユニットを連成させて行った。ここでは振動の伝達特性を評価するため,体積加速度(球面放射の加速度)で単位加振を行い,燃焼室-PTユニット構造体でノックに対する振動応答感度を評価する。加振点は燃焼室内のノック発生点とした。ノックは主にエンドガスゾーン(シリンダ外周部の未燃混合気部)で発生すると考えられており,本解析ではエンドガスゾーン全周でノックが発生すると想定した(Fig.3)。応答評価は以下で行う。(1)燃焼室指圧計測用センサ部の圧力(2)ノックセンサ位置の振動(加速度)(Fig. 4)☆Excitation PointsFig. 1 Knock Detection Flow3.解析手法3.1解析モデル解析は燃焼室(燃焼ガス),PT(Powertrain)ユニットを有限要素でモデル化して行う(Fig. 2)。ここでいう燃焼室はノックが発生するクランクアングルにおける容積をモデル化する。解析で使用する燃焼ガス物性値は,燃料噴射量と燃焼室容積から求めた質量密度と式(1)から求めた音速を使用する。(1) PressureMeasurement PointFig. 3 Load and Response Points of Combustion Chamber(2) AccelerationMeasurement Point??? P?α:音速κ:比熱(1.25)ρ:質量密度P:燃焼指圧(1)Fig. 4 Response Point of Knock Sensor有限要素長は,ノック発生周波数帯の燃焼室空洞共鳴,エンジン振動状態を十分表現できる長さとする。今回は平均メッシュサイズ8mm,約300万自由度でモデル化を行った。3.3結果処理方法結果処理は制御性評価周波数帯のノックセンサ加速度,燃焼室圧力値それぞれでRMS ( Root MeanSquare)値をとり,燃焼室圧力を横軸,ノックセンサ加速度を縦軸として加振点ごとに(ここでは28点)プロットする(Fig. 5)。―92―