ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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概要

マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報(1)最適機能配分とコンパクト化2人乗りオープンライトウエイトスポーツカーのあるべきボデーやシャシーの理想構造を再度徹底的に追求した結果,新型は前モデルと比較しコンパクトな車両サイズとした。これに伴いブレーキサイズ,タイヤ&ホイールのサイズを適正化,またハブボルトも4本に戻し,前モデルからコンパクト化した。また同様にエンジンを小排気量化した結果,エンジン本体,吸排気・冷却系・トライブトレイン系の軽量化を実現した(Table 2)。Table 2 Exterior Dimensionフェンダ,前後のバンパレイン,シートバックバー,アンダクロスメンバ,バルクヘッドパネル,ソフトトップリンクなどをアルミ化した。シャシーでは,3代目のフロントアッパアーム,ロアアーム,パワープラントフレーム,リヤハブサポートに加え,フロントナックルもアルミ化した。またハーネスの一部にもアルミ材を適用した。更にパワートレイン系ではデファレンシャルギアのキャリアケースなどを新たにアルミ化した。これらに加え新技術として,シートにはシートバックとクッションにネットを用いた新構造を採用した。またアルミホイールにも軽量化新工法を採用した(Fig. 5,6)。New ModelPrevious ModelDifferenceOverall length(mm)3,9154,020▲105Overall w idth(mm)1,7351,72015Overall height(mm)1,2351,245▲10Wheel base(mm)2,3102,330▲20(2)構造革新車両の新設計に伴い,特にボデーシェル,シャシーは構造を徹底的に見直し,大幅な軽量化を実現した。ボデーシェルはフレームワークの適正化,前モデルから採用しているハイマウントバックボーンフレームの大断面化とストレート化,ハイテン材の適用拡大などにより,歴代モデルの中で最軽量のボデーと高剛性を高次元で両立させた(Fig.4)。Fig. 5 Expand Aluminum Applied PartsFig. 4 Expand Use of High Tensile MaterialFig. 6 Seat with New Structureシャシーもフレームワークを再度適正化,またボデーフレームの一部をシャシーのフレームとして活用し,更にそれらの骨格をトラス形状でつなぐことにより,軽量で高剛性な構造を実現した。パワートレイン系では,6速マニュアルトランスミッションとデファレンシャルギアを,小型で軽量なものに新設計し直し,軽量化を実現した。(3)軽量材料の適用拡大新型ではアルミ材の適用を更に拡大した。ボデーでは,前モデルのボンネットやトランクリッドに加え,フロント(4)グラム作戦前述した大物の軽量化策のみでなく,マツダの歴代スポーツカーが取り組んできた「グラム作戦」を今回も推進した。車両の全部品に対して1グラムでも削減できる余地があれば実行した。ボデーやシャシーの補強部材は,強度上影響のない部分には重量軽減穴をあけ,また溶接に影響のない端末部はカットした。ドアガラスも,目に見えない部分で機能上必要のない部位はカットし,更に重量軽減穴を設定した。シートの前後位置を調整するレバーも必要最小限の太さとした。-95-