ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報特集:新型ロードスター17新型ロードスターのデザインDesign of New Roadster中山雅*1Masashi Nakayama要約4代目のモデルである新型ロードスターの開発にあたり,「守るために変える」を開発全体の志とし,マツダの最新技術である「SKYACTIV TECHNOLOGY」の全面採用と,新デザインテーマ「魂動(こどう)」を深化させることで,世界中のロードスターファンの期待に応えるべく,初代から25年間続いた歴史を継承・発展させ,後世に残すことを目標とした。スポーツカーを愛する人に対して強い影響力のあるエクステリアデザイン開発では,見た瞬間に心ときめく,情緒的で美しいスタイリングを造った。また,運転時に重要視されるインテリアデザインには,乗り込んだ瞬間に高揚する走りの予感や,味わい深い空間構成やディテールの造り込みを行った。これらのデザインを,人間でいう体形に相当する車両プロポーションを決める基本設計領域や,さまざまな分野のエンジニアとの妥協のない共創活動を行い,実現した。SummaryMazda’s all-new 4th-generatin Roadster was developed with the aim of inheriting and evolving the 25year-longheritage and pass it down the generations. It adopts the Mazda’s latest technology,“SKYACTIV TECHNOLOGY”, and the new design theme“KODO”on a full scale under the concept of“Change to Preserve”, so that it can respond to the expectation of roadster fans all over the world.The exterior design projects a human body line on the car proportion, realizing an alluring andthrobbing-at-a-sight styling, while the interior is exquisitely detailed achieving a profound atmospherethat gives the urge of“getting on the move”at once. Such designs were realized through the nocompromisingco-creative activities with the engineers of Architecture Design Dept. and other fields.1.はじめにマツダ・ロードスターは,1989年2月のシカゴ・ショーでデビューし,2014年で25周年を迎えた。2座オープンスポーツカーとしては,世界で最も多く生産されたクルマであり,その販売台数は現在も更新しており,世界中で多くのファンに支えられている。今回,そのロードスターを4代目の新型としてデビューさせることになった。これは単なるモデルチェンジを越えた,これまでの25年の歴史を継承し,10年後もロードスターファンとの絆を保つための,実は「歴史的な大仕事」であった。今日の自動車を取り巻く環境は,時代とともに刻一刻と変化している。その中で,本来クルマが持っていた,いくつかの本質的な魅力さえも時に失われていくことがある。とりわけLight Weight Sports car(以下LWS)は,全うなスポーツカーとしての性能を担保するための凝った設計を要求されながら,同時に手頃な価格を維持する必要があるため,時代の景気に極端に左右されやすく,過去にもたびたび現れては衰退するという歴史を繰り返してきた。誰もが一度乗れば「楽しい!」と肌で感じる魅力を備えていながらも,時代に風化されやすいタイプのクルマである。しかしマツダは,これまでロードスターを支持していただいた多くのファンの期待に応えるため,それに挑戦した。*1デザイン本部Design Div.-99-