ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報Fig. 13 Front View3.5リヤデザイン後続車に追い越された後,あるいは後方から追尾される時など,多くの場面で長く見るのが実はリヤビューである。また,動物のヒップに例えられるなど,リヤエンドは自動車好きが愛着を感じるところである。したがって,いつまでも眺めていたくなる魅力的な表情をリヤに与えることを目指した。両サイドを強く絞り込んで角をなくしながら,リヤフェンダーを張り出した量感豊かな造形に加え,丸型のテールランプを,できるだけ中央に寄せて配置することで,全体としてタイトに引き締まった印象を作った(Fig. 14)。ライセンスプレートはバンパー下部に取り付け,トランクエンド面とバンパー面の連続性を保つようにした。またキーシリンダーを廃止し,オーナメント以外の部品が目に入らない,すっきりしたリヤデザインにした。テールランプには,初代ロードスターから継承する丸型モチーフを採用しながら,上下幅を極限まで薄くコンパクトにし,潔いデザインとした(Fig. 15)。Fig. 14 Rear ViewFig. 15 Tail Lamp3.6ホイールデザインLWSの性能を十分に発揮する剛性と軽さから生まれる機能美を優先し,これまでのマツダのホイールとは少し違う,新しいキャラクターを表現した。16インチ/17インチどちらのホイールもセンターハブを造形的に強調しながら,視覚的にも機能的にも駄肉を削いだ形状とした。軽量設計により,センターハブのホイールナットは従来車の5穴から4穴としたことから,ハブとリムをつなぐスポークは応力と剛性に無理のない8本とし,冷却強化鋳造という新工法を採用し,アルミ素材の強度を高めながらリムの肉厚を薄くするなど,軽量化と機能美を両立するデザインにした。ホイールカラーには,精悍でスポーティなガンメタリックを16インチ/17インチともに採用した上,16インチにはノーマルなシルバー,17インチには高品質でエレガントな印象の高輝度シルバー塗装を設定した(Fig. 16)。Fig. 16 Wheel4.インテリアデザイン4.1内と外が連続したオープンカーらしい空間構成ドアを開けて乗り込んだ瞬間から「これぞオープンカーだ!」とオーナーの心を高揚させるコックピットをデザインし,スポーツカーという非日常的な空間を演出することに注力した。まず,クルマの内外の境目をなくすことで,常に外界とつながっているという開放感と,クルマのボディーとの一体感を同時に感じ取れるようにした。オープンにすれば「窓ガラスがない」状態が標準であるオープンカーの魅力を最大限に高める工夫として,ボディーの意匠をドアトリム上部まで回り込ませ,ガラス位置で切り替えられていた内外の空間を融合し,季節や時間,走行によって移り変わる景色がインテリアにも映り込むデザインにした(Fig.17)。また運転席から見たときに,自分の肩口のドアトリムからフェンダーピークまでが,遮るものがなく一直線につながっている感覚を作ることで,クルマを操る「手の内感」を増強した。更にフェンダーピークを前輪キャスター角の延長線上に置き,ボンネット上に設けた谷間は前輪キングピンの延長線上に通し,操舵輪である前輪を自分の身体の一部のように動かしていることが視覚的に実感できるデザインにした(Fig. 18)。-103-