ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)ーストラクチャの理想化を妥協なく実現しつつ,エンジンを車両重心に近づけることは,非常に難易度の高い命題であったが,従来のSKYACTIV-Gからエンジンの搭載スラント角を変更することで,エンジンの吸排気スペースを確保するとともに,エンジン後部のバキュームポンプユニットを移設することで,フロントホイールセンタの35mm前出しに対してエンジンの前出し量を20mmに抑え込むとともに,エンジン長の短縮も加え,フロントホイールセンタに対する相対的なエンジンセンタ位置を前モデルから1.5Lエンジン搭載車で43mm,2.0Lエンジン搭載車で22mm後方化するフロントミッドシップレイアウトとすることで,ヨー慣性モーメントの低減に貢献させた(Fig.14,15,16)。Fig. 14 Front Midship Layout of SKYACTIV-GNew RoadsterOther New Generation VehicleFig. 17 Lower Oilpan Height of SKYACTIV-G3.3「開放感」を実感させるウインドコントロール「開放感」の具現化としては,オープン走行の気持ちの良さとして,オープン走行時のウインドコントロールに取り組んだ。これまでの調査や研究からオープン走行時に頭や顔に直接当たる風は不快に感じるが,胸や肩に当たる風は心地良い風と感じることに着目し,視界のところでも述べたフロントヘッダとAピラーの後方化により,頭上の風を乗員に対して高く,後方に飛ばし,頭や顔に直接当たる風や後ろからの巻き込み風といった不快な風を低減しながら,サイドウインドオープン時に心地良い風を積極的に導風することに注力し,ドアの三角窓の縮小やドアトリムの高さ,形状を造り込んだ(Fig. 18)。Slant-AngleOther New Generation Vehicle :10°of Engine InstallingNew Roadster :7°(1.5L) / 6°(2.0L)Comfortable windUncomfortable windFig. 15 Change Slant-Angle of Engine InstallingNew RoadsterDI PumpOther New Generation VehicleDI PumpFig. 18 Wind Control for Open Feeling4.実用性に着目した収納性Replace Vacuum Pumpto Engine RoomVacuum PumpFig. 16 Change of Engine Rear Unit②重心高の低減同様に重心高の低減に関しても,乗員の下方配置に加え,重量物であるエンジンに着目し,従来のSKYACTIV-Gからオイルパンを薄型化することでエンジンを前モデルから13mm下方に配置し,前モデル比で5mmの重心高低減を実現した(Fig. 17)。荷室,室内の小物入れについては,実用性に着目し,市場でニーズの高い積載物の収納と日常ユースでの使い勝手に注力した。(1)荷室新型ロードスターでは,リヤオーバハングを短縮しながらも,前モデルに対して荷室の深底部の前後長を35mm,深さを36mm拡大することで,近年,ニーズの高い旅客機の機内持ち込み最大サイズのキャリーオンバッグの積載数を前モデルの1個から2個に向上させた。これにより大人2人の国内旅行はもとより,海外への小旅行もカバーする荷室を実現した(Fig. 19)。-112-