ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)特集:新型ロードスター19人馬一体新型ロードスターのパフォーマンスフィールNew Roadster Performance Feel兼為正義*1*2八木淳*3佐々木貴洋Masayoshi KaneiAtsushi YagiTakahiro Sasaki要約パフォーマンスフィールとは,人馬一体を体現させるダイナミック性能の一つの要素である,アクセル操作に対する加速度やサウンドの反応,操作や実際の車の動きに対する人間の感じ方を示す指標のことをいう。25周年を迎えたロードスターの4代目となる新型モデルでは,ロードスター伝統の“人馬一体”感と“Fun toDrive”といった,お客様が“乗って楽しいと感じる”感性の訴えるパフォーマンスフィール(走り感)の更なる進化に取り組んだ。本稿では,パフォーマンスフィールの核となる加速度の作り込みについて,新型ロードスターが実現できた性能を,定量データを交えながら解説する。SummaryPerformance feel is one of the elements of the dynamic performance that embodies“Jimba Ittai”and theindicator of human perception to acceleration/sound response and car operation/movement.In the 4th generation Roadster, we worked on further evolution of performance feel that provides our customerswith driving pleasure and Jimba Ittai. This paper introduces the acceleration performance and thecore of performance feel achieved by new Roadster with qualitative data.1.はじめに新型ロードスターは,初代ロードスターから脈々と受け継いできた軽快感あふれる走りをドライバが感じられるよう,理想のエンジン特性を描き,高回転まで軽快に吹き上がるエンジン特性と,軽量化ボデーを達成し,前モデルをしのぐ走る喜び・楽しさを実現した。パフォーマンスフィールは,加速フィール,ペダル操作フィール,エンジンサウンドフィールなどの感性を刺激する各特性が絡み合う性能であり,本稿ではその核と考えている加速度特性の技術と性能について紹介する。2.新型ロードスターが目指したもの2.1新型ロードスターのこころざしロードスターは一貫して軽快さを感じる走りをこころざし,初代モデルの1.6Lから,1代目1.8L,2代目2.0Lへと排気量アップして一層の軽快さと,高い加速能力を支える安心感が得られるようパフォーマンスフィール性能を進化させてきた。新型ロードスターは,3代目で進化させた,より安心に運転できる軽快さの感覚を残しながらも,初代で築いたまさにヒトとクルマが完全一体となった軽快さ(軽さ)が感じられることを目指した。たとえば,アクセルを踏んで車を動かし始める瞬間に漠然と「軽い」とか「重い」といったフィーリングを感じることはないだろうか。それは自分が車から降りて車を押してみた時に分かる車の軽さと同じようなものである。車を押した時に力をいれて押さないと動かない車ではなく,力を入れなくても簡単に車が動き出す感覚を指す。新型モデルでは,原点に戻り,アクセルやステアリング操作に対し,遅れなく車両の動きに伝わり,反応することの気持ち良さをドライバに感じてもらいたい。その思いを実現するためにロードスター用に新開発したSKYACTIV-G 1.5エンジンを搭載し,車両の軽量化と組み合わせて,環境性能も大幅に向上しつつ,現行モデルをしのぐ軽快感あふれるパフォーマンスフィール性能を目指した。*1~3走行・環境性能開発部Drivability & Environmental Performance Development Dept.-114-