ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

ページ
132/306

このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている132ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2015 No.32

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報4.3ディファレンシャル小型軽量化,形状最適化により,ライトウエイトスポーツカーとしてベストインクラスの質量を達成した。また,ユニット効率に寄与度の大きいオイル潤滑に着目した抵抗低減技術の育成を行い,燃費性能向上を実現した。キャリア基本形状はCAEを活用し,強度,NVHの基本となるギヤ支持剛性を前モデル並に確保した上で,軽量化を実現した。具体的には,キャリアとリヤカバーの分割位置変更,骨格リブの設置により,鋳鉄同等の剛性で薄肉アルミダイカストへの材料置換を実現した。新型ディファレンシャルの透視図をFig. 12に示す。4.4プロペラシャフト・ドライブシャフトプロペラシャフトは高張力鋼材を採用することで,軽量化を図った。ドライブシャフトはマニュアルトランスミッション車用に中空タイプを採用して走りのレスポンスからの要求剛性を維持しながら軽量化に貢献した。5.おわりに4代目ロードスターは,初代の『人馬一体』コンセプトを受け継ぎ,革新的な進化を遂げた。軽量,コンパクト,高効率で優れた環境性能を,クラッチ,シフト操作性の更なる進化で『走る歓び』を高次元で実現したドライブトレインシステムに仕上がった。参考文献(1)三浦ほか:トランスミッションケース開発における基本骨格形状最適化,自動車技術会駆動系シンポジウム2013前刷集No.03-13,pp.12-16(2013)Fig. 12 Main Section of Rear Differential Unit■著者■キャリア外部形状は車両フロア下回りの風の流れ解析とユニット発熱,伝熱,放熱のモデル解析を駆使しリヤデフ油温の基本となる冷却,放熱性能予測から,冷却フィンを最小化した(Fig. 13)。抵抗低減技術のポイントとなる潤滑改善は,低温時攪拌抵抗の低減を重視した低粘度オイルを新規開発することで実現した。また,キャリア内部形状はギヤ攪拌によるオイル流れの整流化に注力した(Fig.14)。その結果,ユニット効率は60km/h走行時の損失トルクで27%低減した。レスポンスとダイレクト感を重視した小型リミテッドスリップデフを新規開発した。延河克明渡部雅晃石田一之佐々木雅弘松原伸幸Fig. 13 Analysis Model of Air FlowFig. 14 Analysis Model of Oil Flow-123-