ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報Table 1 Principal SpecificationEngineAXELANew RoadsterSKYACTIV-G1.5 SKYACTIV-G1.5Mouting typeFFFRMax Power(JIS net)82kW/6,000rpm96kW/7,000rpmMax Torque(JIS net)144N・m/3,500rpm150N・m/4,800rpmMax Engine speed(rpm)65007500Bore×Stroke(mm)φ74.5 x85.8←Displacement(cc)1,496←Compression ratio13.0←Crank Shaft MaterialCast IronsteelCrank Shaft Typesemi full counterfull counterIntake-valve event angle254°←Exhaust-valve event angle244°249°Int. Manifold Runner Length(mm)395365Exh. Manifold Runner Length(mm)600450Throttle Dia(mm)5055Exh. Manifold4-2-1type←Induction Sound Enhancerw/o.w/.Fuel GradeRegularPremiumンロッドの往復系部品は質量を増加させることなく高回転化に対応しBIC質量を実現した。Decrease Inertia and MassAXELANew Roadster(Flexible Tpye)(Solid Tpye)Fig. 3 Flywheel Comparison4.パフォーマンスフィール4.1伸び感への取り組み高回転まで気持ちよく回る「伸び感」の実現を狙い,エンジン回転限界をベースエンジン比で1000rpm高い7500rpmとした。高回転化に伴い往復系の慣性荷重が増加する。そのためクランクシャフトを高剛性化し,バランス率を高めた。高剛性化はスチール材を採用し,ウェブ形状を最適化することで軸径を増やすことなくベース比剛性を16%向上した。フルカウンタウエイト構造を採用しウェイトの配置を最適化することでバランス率を高め,7500rpmまでのスムーズな吹け上がりを実現している。不快な可聴領域の共振周波数モードを抑えることを狙いとしてカウンタウエイト周りの形も最適化した(Fig. 2)。Fig. 2 Optimized Crank Shaft4.2軽快レスポンスの取り組みスポーツカーにふさわしい軽快な吹け上がりを実現するために,主運動部品のイナーシャ低減に取り組んだ。主にフライホイールに関しては吹け上がりに加え,シフトチェンジの操作感,クラッチ操作のダイレクト感を求めて,新設計のソリッドフライホイールを採用した(Fig. 3)。パワープラント全体の振動減衰を見直すことでフライホイールイナーシャを17%,質量で9%低減を実現し,無負荷レーシング時の吹け上がり感やレスポンスの代用値である0.1G発生時間を改善した(Fig. 4)。また,ピストンとコFig. 4 Improvement of Response4.3吸排気系によるトルク特性の取り組みSKYACTIV-Gの排気系の特徴は,4-2-1排気マニフォールド集合部,プリサイレンサ,メインサイレンサからの反転負圧波が吸気バルブと排気バルブのオーバラップ期間に同調する回転数をコントロールすることである(1)。新型ロードスターへ搭載するエンジンでは,高回転まで気持ちよく回ることが重要であるため,排気マニフォールド集合部までの長さを高回転チューニングした。具体的には,排気カム角の変更を考慮した上で,排気マニフォールド集合部までのランナ長さを450mmとすることで,4500rpmと6000rpmで同調するようにした。排気マニフォールド同調点を高回転化することにより,低中回転域の体積効率低下といった弊害が発生する。吸排気系の超低抵抗化により弊害をリカバーした。吸気系についてはスロットル部内径を拡大し,吸気ダクト最狭部断面積を30%拡大した。排気系については各部径拡大及びFR搭載化に伴い,ストレート形状化を実施した(Fig. 5)。これらのことにより,吸気系通気抵抗及び,排気系背圧をアクセラ用SKYACTIV-G 1.5比で25%低減した。Fig. 5 Improvement of Exhaust Manifold Shape-125-