ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)特集:新型ロードスター23新型ロードスターのシャシーダイナミクスChassis Dynamics Performance of New Roadster友貞賢二*1Kenji Tomosada野田曜一*2Yoichi Noda戸田良二*3Ryouji Toda要約SKYACTIV-シャシーは走る歓びの更なる進化と環境性能に貢献する大幅な軽量化を実現したうえで「人馬一体のドライビングプレジャー」と快適性と安心感改善による「走りの質」の向上を実現した。新型ロードスターは歴代のロードスターの人馬一体を更に突き詰め,人の感覚を大切にした“感”にこだわり,究極の人馬一体を目指した。フロントサスペンションにはダブルウィッシュボーン式,リヤサスペンションにはマルチリンク式というサスペンション形式とし,前モデルを継承しながら,新たにFR用SKYACTIV-シャシーを開発した。ステアリングギアには,マツダとしては初のデュアルピニオン式電動パワーステアリングを採用した。これらにより軽量化を実現しながら,究極の人馬一体を体現する軽快感と意のまま感を実現した。SummaryWith further evolved“Fun to Drive”and significant weight reduction, which supports environmentalfriendliness, Mazda SKYACTIV chassis has achieved“enhanced Jinba-Ittai (Oneness between driver andcar) driving pleasure”and realized higher“driving quality”that provides enhanced comfort and a sense ofsecurity. The New ROADSTER is aimed at achieving an ultimate level of Jinba-Ittai with the focusplaced on human senses. While adopting the double-wishborn front suspension and multi-link rearsuspension systems, we have developed the new SKYACTIV chassis to use for front ?engine, rear-drive(FR) vehicles. For steering gear, we have applied the dual-pinion electric power assist steering system,which is first application in Mazda cars. By so doing, we have been able to realize a sense of brisknessand responsive drive as an ultimate level of Jinba-Ittai, while achieving a weight reduction at the sametime.1.はじめにSKYACTIV-シャシーは走る歓びの更なる進化と環境性能に貢献する大幅な軽量化を実現し「人馬一体のドライビングプレジャー」の向上,安心感や快適性の改善による「走りの質」の向上をねらい,サスペンション・ステアリング機能を根本から見直すことで,一体感・安心感・快適性の間にある背反性能を高次元で両立するため,技術開発によるブレークスルーを実現した。本稿では,後輪駆動方式(FR方式)としては初のSKYACTIV-シャシー,及びその達成性能について紹介する。2.開発のねらい人馬一体とは,人の操作に対するクルマの反応が人の感覚に合っていて,クルマと一体と感じること。つまり意図どおりにクルマが動くこと,と定義している。歴代のロードスターはダイナミクス性能の方向性として,“人馬一体”を目指してきた。この方向性は,スカイアクティブ技術を搭載した商品群CX-5,アテンザ,アクセラ,デミオの流れにつながっており,新型ロードスターでは,究極の人馬一体をねらった。その中で,新型ロードスターは特に人の感覚を大切にした“感”にこだわり,人を中心とした開発に取り組んだ。究極の人馬一体を実現するために,軽快感と意のまま感をキーワードとして開発に取り組んだ。軽快感は,単に軽い*1,2シャシー開発部*3操安性能開発部Chassis Development Dept.Chassis Dynamics Development Dept.-134-