ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報4.達成性能4.1軽快感新型ロードスターは,前述のように単に軽い車でキビキビと動くだけでなく,操作に対する反応の気持ち良さで,軽快感を実現することに取り組んだ。その実現した性能について,紹介する。気持ち良さは,ドライバの微小な入力から,リニアに期待どおりに微小にかつスムーズに車両が反応することで実現させた。Fig. 6に操舵力とヨーレートの関係を示す。操舵の初期から小さな操舵力でリニアにヨーレートが立ち上がっており,操舵初期の車両応答のリニアリティを実現している。New RoadsterSteering Wheel Torque(Nm)Fig. 6 Steering Wheel Torque vs Yaw Rateまた,レーンチェンジ時の切り込み始めの操舵トルクのグラフを示す。新型ロードスターは前モデルに比較して切り込み時のトルク変動が少なくできており,操舵初期の操舵力のリニアリティを実現している(Fig. 7)。Steering Wheel Torque (Nm)Yaw Rate (deg/sec)Previous ModelNew RoadsterPrevious Model0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5Time (sec)Fig. 7 Steering Wheel Torque at Lane-change操舵初期のヨー運動に加え,サスペンションが小さな入力にも反応するように,サスペンションの上下動のフリクションを適正化した。Fig. 8にフロントサスペンションの上下動のフリクションの比較を示す。EU APrevious Current Model modelNew Roadster0 Suspension 20 40 60 Friction(%) 80 100Fig. 8 Front Suspension Frictionこれにより,操舵初期の小さな入力に対し,ヨー運動と同時にフロントサスペンションがストロークすることでダイアゴナルロールを始め,自然なロール特性を実現した。これらの微小な入力に対し,ドライバの期待どおりの微小でリニアな車両挙動を示すことにより,気持ち良さ,つまり軽快感を実現している。Fig. 9,10に新型ロードスターと前モデルのブレーキング時のフロントサスペンションとリヤサスペンションの上下動を比較した。新型ロードスターはねらいどおり,リヤサスペンションの浮き上がりを抑制し,フロントサスペンションの沈み込み量は少し大きめにして,制動時のドライバの視点が沈み込むような動きを実現し,気持ち良いブレーキング挙動を実現した。Front Suspension Dive (%)Rear Suspension Lift (%)25201510500 0.2 0.4 0.6 0.8Current Model252015105Deceleration (G)●New Roadster●Previous ModelFig. 9 Front Suspension Dive at Braking●New Roadster●Previous Model00 0.2 0.4 0.6 0.8Deceleration (G)Current ModelFig. 10 Rear Suspension Lift at Braking-137-