ブックタイトルマツダ技報　2015 No.32

概要

マツダ技報　2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報に影響なく断面拡大を図った(Fig. 4 )。また,1500MPa級ホットスタンプ材を適用し,構造変更と合わせて曲げ耐力を向上させた(5.材料参照)。これらにより,パッケージと性能の両者に妥協なく,重量低減しながら高強度,高剛性化を実現した。(2)閉断面の連続化パーキングレバー取り付け部の穴を工夫し,断面を後方部材まで一定の閉断面でつなげて断面の不連続をなくした(Fig. 6)。Steering shaft through holePrevious ModelDiscontinuousNew ModelContinuousFig. 6 High Mount Backbone Frame(2)Hole in the section Separated a section and holePrevious ModelNew ModelNew ModelPrevious ModelFig. 4 Dash Cross Member3.3ハイマウント・バックボーンフレームバックボーンフレームはオープンボデー化に伴う剛性ダウンを,サイドシルに頼らずに向上できる技術である。新型ロードスターでは,SKYACTIV-BODYのストレート化,連続化の考えを徹底し,急激な折れや穴による断面不連続が生じないよう,開発初期段階から関連部門と一丸となりONE MAZDAで活動し理想構造化した。部材がもつポテンシャルを最大限発揮させた。(1)断面稜線のスムーズ化インパネ取り付けなどを適正化し,平面視,側面視ともにフレーム稜線の角度変化を最小限として,部材全体で荷重分担して軽量化した(Fig. 5)。3.4サイドシルオープンカーにおいてサイドシルはフロント・ボデーとリヤ・ボデーをつなぐ重要な部品であり,高強度/高剛性が求められる。一方で乗員の乗降性の確保や,デザインテーマ「魂動」の実現のために断面サイズに制約がある。そこで新型ロードスターは断面形状の最適化に取り組むことでこの課題を解決した。(1)断面形状の最適化新型ロードスターのサイドシルには,衝突時,断面の潰れ方をコントロールする新断面を採用した。この断面は,断面二次モーメントが小さいにもかかわらず稜線を増やすことで曲げ/ねじり強度を向上させる仕組みである。横からの衝突大荷重が入った場合は,断面は座屈し断面崩れを起こすが,稜線を意図的にかつ,適正な量と方向に設けることでこの現象を抑制した。この採用により現行モデルより高い性能を発揮しつつ,30%の質量低減を実現した(Fig. 7)。CurvatureMildly-curveInputInputStrengthStrengthPlan ViewCurvaturePlan ViewMildly-curveNot Verticality to Input DirecitonPrevious ModelVerticality to Input Direciton,So Hold OnNew ModelFig. 7 Side-SillSide ViewSide ViewPrevious ModelNew ModelFig. 5 High Mount Backbone Frame(1)3.5リヤ・サイドフレームデザインのリヤ・ショートデッキ化を実現するために,リヤ・サイドフレーム長を従来モデル比で90mm縮小した。そこで効率的にエネルギー吸収をさせるためにSKYACTIV-BODY技術を活用し,リヤ・サイドフレーム-141-