ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報5.2ホットスタンプ材の車体適用1180MPa級超ハイテン材を超える1500MPa級ホットスタンプ材を衝突荷重により潰したくない車体部品に適用した。より強い材料を効果的に使用することで薄板化により軽量化した。前述したバックボーンフレーム部の圧縮荷重入力部に採用した。部品加工性,溶接性や車体精度保証性を生産部門とONE MAZDAで取り組み量産化を実現した(Fig. 13)。リヤ・サスペンショントップでは,ダンパ取り付け構造の変更に合わせ,サスペンショントップとパッケージを従来モデルの構造から大幅変更し,サスペンショントップからの入力荷重をパッケージ側により効率良く分散する構造とすることで,フロントと同様に格段のダンパ支持剛性の向上を果たした(Fig. 15)。PACKAGECompression ForceHot StampLOADDISPERSINGSUSPENSIONTOPInputPrevious ModelInputNew Model1180MPa High Tensile SteelFig. 13 Hot Stamp Material6. CAEの取り組み6.1車体剛性感の劇的向上主要な骨格構想を理想的な具体構造にする上で,詳細なCAEを開発初期段階から実施。最適な形状に到達するまで検討を繰り返し行うことで,軽量化と各部の剛性の維持改善を図り,車体剛性感を向上した。フロント・サスペンショントップでは,バックボーンフレームとの結合剛性向上とともに,サイドシルへの結合剛性の向上に取り組んだ。特にサスペンショントップのダンパ取り付け周辺の構造を一新し,サスペンショントップへの入力荷重を車体外側へ効率よく分散させ,ダンパ支持剛性を向上した。その結果,ストラットタワーバーなしでも,従来モデルのストラットタワーバー付きと同等レベルのサスペンショントップのダンパ支持剛性を得た(Fig. 14)。STRUT TOWER BARInputPrevious ModelSUSPENSIONTOPLOADDISPERSINGSUSPENSIONTOPInputNew ModelFront ViewSide ViewSIDE SILLNew ModelFig. 14 Front Body StructureInputSIDE SILLFig. 15 Rear Body Structureフロント・サスペンションアーム取り付け部においても,ボデー側への取り付け構造にブレースを設定し,サスペンションアームからの荷重をサイドシルへ分散させる構造とすることで,高剛性化した(Fig. 16)。Previous ModelSUSPENSIONFIXED POINTLOADDISPERSINGBRACENew ModelFig. 16 Front Suspension Body StructureSIDE SILL6.2複数性能最適化技術の適用今回の新型ロードスターの開発では,MDOを適用し,複数性能(衝突,NVH,強度,剛性)間の同時最適化による質量効率の向上にも取り組んだ。具体的には,各性能目標を満足する指標を制約条件として与え,質量最小化を目的関数とするMDOをアンダボデー,アッパボデー各開発段階で実施し,最軽量化の検証を行った。アンダボデー領域の開発段階では,プラットフォーム主要部品を設計変数として設定し,板厚変化による質量寄与度,性能寄与度を明らかにしたうえで,その分析結果から,トータル3.9kgの軽量化案を発掘した。アッパボデー領域の開発段階では,アッパ系部品を中心に,他に最軽量となる板厚組み合わせの仕様可能性が残さ-143-