ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
- ページ
- 165/306
このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている165ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2015 No.32 の電子ブックに掲載されている165ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)SPL [dB(A)]10dBReduction in High-Frequency NoiseWindow Side:3,000~6,000(rpm)Ave1kFrequency [Hz]Previous ModelTarget of New RoadsterFig. 5 Frequency Characteristic of KODO-Soundまず実走行テストによる寄与度分析を行った(手段①)。この結果よりフロア部分の寄与が高いことが分かった(Fig. 6)。次にこのフロア部分で特に寄与の高いリヤフロア部分に着目した。リヤフロア部分に対して高周波音の経路寄与分析を行った結果(Fig. 7)から主要経路である[A]センタフロア経路・[B]リヤフロア/ホイールハウス経路に対して遮音機能の強化を注力し,寄与の低い[C]トランク経路に対しては軽量化を重視した手段を配分することで性能と軽量化の両立を狙った仕様選定を行った。以下にその詳細な検討内容について述べる。3.遮音性と軽量化の両立3.1遮音性と軽量化の両立の考え方/達成手段2章の目標を満足する遮音性確保と軽量化を両立する機能配分の考え方として,次の3つの方針で検討を行った。①寄与度分析による重点対策部位の明確化②新規の軽量/高性能材料の採用③機能統合による部品点数の削減3.2遮音性と軽量化の両立の具体例ここでは,3.1節の達成手段の具体的一例として,タイヤ音に対する遮音性と軽量化の両立の取り組みについて述べる。この取り組みでは3.1節で述べた①~③の手段を適用した。Rate of Contribution [%]Sectional Side ViewTop HatFloorHigh-Rate100%Door90%Top Hat80%70%60%Door50%40%30%20%FloorFront ViewTop HatFloorDoorABCC_TrunkPath,18%B_RearFloor &RearWheel-HousePath,49%A_Center_FloorPath,34%Acoustic Energy Ratio for Rear-Floor500-5kHz O.A.Dominant PathFig. 7 Transfer Path Analysis For Rear Package Area従来型では,[A], [B], [C]の各経路を透過するトリムの構成はハード(PP基材)の裏面にフェルトを部分的に貼り付ける構造であり,ボデーパネルの透過音に対して吸音し切れない入力があるとトリムを透過する音があった。新型では,フェルト材を3次元形状化し全面に配置することで,ボデーパネルからの透過音を十分減衰させ車室内に透過する音を小さくするねらいとした。具体的には,リヤパッケージトリム(幌格納部のトリム)およびトランクトリム本体の材料構成を従来型のPP基材から不織布成形品(遮音層/吸音層を持った素材)に変更した。耳位置から近いリヤパッケージトリムの吸音層には,PET(ポリエチレンテレフタレート)製の極細繊維を採用し,吸音層の内部減衰エネルギーを効率的に高めた(Fig. 8)(手段②)。Previous ModelNew Model10%0%500 630 800 1000 1250 1600 2000 2500 3150 4000 5000Frequency [Hz]Fig. 6 Vehicle Panel Contribution on Smooth RoadFig. 8 PET Felt Fiber (REAR-PACKAGE TRIM.BACK)-156-