ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)特集:新型ロードスター28高効率衝撃吸収ボンネットレインフォースメント構造とアクティブボンネットの開発Development of Highly Efficient Shock Absorbing ReinforcementStructure and Active Bonnet藤田賢治*1*2曽我部洋*3藤井照雅Kenji FujitaHiroshi SogabeTerumasa Fujii要約市場事故での死亡者低減の観点から,歩行者死亡者の低減(歩行者頭部保護)は重要課題である。一般的に歩行者頭部保護のためには,ボンネットとその下のエンジン部品との隙(ストローク)を多く取ることで頭部傷害基準値(Head Injury Criterion:HIC)の低減を図るが,その結果としてボンネット面の上昇を招き,スタイリングへの影響が大きい。特にライトウエイトスポーツを標榜する新型ロードスターにおいては,旧来からの軽量でスポーツカーらしいスタイリング(低重心ボンネット)を継承したうえで,最高レベルの歩行者頭部保護性能を達成するという相反性能の両立が課題である。その課題を解決した2つの技術,高効率衝撃吸収ボンネットレインフォースメント構造とアクティブボンネット技術について紹介する。SummaryTo reduce traffic fatalities, decrease in pedestrian death toll (protecting their heads) is an importanttask. Generally, the larger the clearance between a hood and the below engine parts is, the saferpedestrians’heads become, but it will raise the hood top, which ruins the vehicle overall styling.Especially, for the All-new roadster which leading the Light Weight Sports, achievement of both opposingperformances, the sports-car-typical styling (low hood position) and the top level pedestrians’headprotection performance, was a big challenge. This was solved by the development and application of thehighly efficient Shock Absorbing Reinforcement Structure and Active Bonnet as shown below.1.はじめにFig. 1に示す平成25年の警察庁事故統計データ(1)によると,日本国内で発生した交通事故死亡者数は減少傾向にある。これを状態別に見ると,現在では歩行中の死亡者数が最多であり,更に状態別死亡者数の減少率では,自動車乗車中は平成15年に比べて53.7%であるのに対し,歩行中は32.8%に留まっている。このことから,歩行中の死亡者数の更なる低減が重要な課題となっている。また,Fig. 2に示す歩行中死亡者の損傷部位別で見ると,頭部の損傷が全体の55%を占めている。このことから,頭部保護への対応が上述の重要課題解決には不可欠である。一般的には,頭部の受傷を低減させるためには,自動車に衝突した際の衝撃エネルギーを多くのストロークで吸収させる必要がある。一方,マツダのライトウエイトスポーツの方向性は軽量かつ低重心ボンネットであるため,非常に限られたスペースしかない。本稿では,この相反する2つの要件を解決するための手法について紹介する。In carDeath Toll▲53.7%On motorcycle▲32.8%On motorized bicycleOn bicyclePedestrianOther200320082013YearFig. 1 Change in Death Toll* *1,3ボデー開発部2衝突性能開発部Body Development Dept.Crash Safety Development Dept..-158-