ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)Leg 2%Neck 4%Abdomen4%Waist10%Chest16%Other9%Fig. 2 The Damaged Area of the DeceasedDuring a Walk2.課題Head55%マツダ技報新型ロードスターにふさわしい低重心ボンネットスタイリング実現のため,上記課題の解決が必要であった。3.対策3.1高効率衝撃吸収ボンネットレインフォースメント軽量化による衝撃吸収量の低下を改善するためには,質量の有効活用が課題解決の鍵である。すなわち,ボンネットを広範囲に変形させることで衝突初期の減速度を多く得て,衝撃吸収量を多くすることが重要である。このコンセプトに基づき,荷重伝達効率に優れるレインフォースパターンを検証した。下記,Fig. 4として,ボンネットの広範囲に荷重伝達させるねらいと予測を,Fig. 5として,レインフォースパターンの検証結果を示す。Target2.1軽量化と頭部衝撃吸収性能の両立人馬一体のライトウエイトスポーツでありながら,高い歩行者保護性能を達成するためには,次の2つが課題であった。1つ目は,軽量化目的で採用するアルミボンネットで,鋼板ボンネットと同等の衝撃吸収量を確保すること。2つ目は低重心ボンネットスタイリングを守りつつ,十分な衝撃吸収ストロークを確保することである。歩行者の頭部がボンネットに衝突した際に,少ないストロークで効率良く衝撃を吸収するためには,衝突初期から適正な減速度を得ることが重要である。この減速度を決定する要素の1つがボンネットの質量であり,質量が増加すると減速度も増加する関係にある。この関係を鉄とアルミニウムの比重に置き換えて考えると,アルミニウムの比重は低いため,減速度も低くなり,結果としてストロークが多く必要になる。同じボンネットで,材料特性のみを変えて歩行者頭部衝突をCAE検証した結果,質量低減により減速度が低下し,アルミニウム採用による軽量化と適正な衝撃吸収の確保は相反することが確認できた(Fig. 3)。Impact pointEngine parts【First stage】Deceleration of aluminum is downto 49% as compared with steel.:Aluminum:SteelTimeFig. 3 Effect of Deceleration Wave Form by EachMaterial CharacteristicBonnet is long in BL direction.Therefore we make a bonnettransformed like an oblong ellipse.PredictionThe transformable area can bemade BL direction widely bydesigning high rigidity reinforcement.Fig. 4 Target and Prediction of Load TransferFig. 5に代表されるさまざまなレインフォース形状を検討した結果,①横骨タイプの構造にすることで初期減速度のピーク値を鋼板ボンネット相当にできることが分かった。荷重伝達状態を見ると,上述のねらいどおりボンネット左右方向の広いスペースに荷重伝達ができていることが分かる。本構造により,アルミで鋼板と同等の衝突初期衝撃吸収が可能になり,1つ目の課題を解決できた。3.2アクティブボンネット一方,目標の低重心スタイリングを達成するためには,更に50%程度のストローク拡大が必要であり,このためには質量増加または,ボンネット高を上げるデザイン変更を伴うことから,ライトウエイトスポーツのコンセプトを実現できなくなる。そこで,歩行者との衝突時のみボンネットを持ち上げるアクティブボンネットを採用することとした(Fig. 6)。本機能により,通常時のボンネット高をスタイリング目標に抑えつつ,歩行者保護ストロークを確保することが可能になり,2つ目の課題が解決できた。-159-