ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)新型ロードスターでは,軽量化の新技術である“電線の導体材料を従来の銅から軽量のアルミニウムに置き換える材料置換”により,電線そのものを軽量化した(Fig. 2)。本稿ではこの軽量化の開発経緯と実現手段を紹介する。SystemElectric Wire/Layout(1) Saving省線化(2) Thinning細線化(4) Material Replacing材量置換WeightReduce Number ofCircuitsUse Thin ElectricWireUse Light ElectricWire(3) Shortening短線化Aluminum WireDC-DCConverterWiringHarnessBatteryAlternatorCapacitorApproach Straight Line CourseFig. 2 Approach of Wire Weight Reduction2.アルミ電線の搭載部位ワイヤハーネスに使用する電線は,通電電流の大きさにより,適切な電線径を選定している。大電流回路に使用する大径の太物電線は,小電流回路の細物電線に比べ,導体である金属を多く使用するため,電線重量は重くなる(Fig. 3)。太物電線の重量を軽減することが軽量化にとって効果的だといえる。Fig. 4 i-ELOOP Layout of New Roadsteri-ELOOPハーネスのアルミ化は,キャパシタとDC-DCコンバータの接続区間及び,DC-DCコンバータとバッテリの接続区間とした(Fig. 5)。AlternatorCapacitorDC-DCConverterBatteryWeight(g/m)35030025020015010050060 timesWire size0.5mm 230mm 2PCMAluminum WireCANVehicle Electrical Loads・Engine Electronics・Head Lamp・Heater・AudioThin WireThick WireFig. 5 System Diagram (1)Fig. 3 Weight of Copper Wire新型ロードスターは,燃費向上を目的として減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」を搭載する。このシステムは,クルマの減速時に発生するエネルギーを電気として回収し,クルマが必要とする電気エネルギーとして再利用する。可変電圧式オルタネータで発電し,キャパシタへ充電を行う。DC-DCコンバータにて最大24Vのキャパシタ電圧を12Vへ降圧し,各電装品へ電力を供給する。このオルタネータ,キャパシタ,DC-DCコンバータ,バッテリは太物電線によって接続される(Fig. 4)。アテンザ,アクセラはこの太物電線の導体に銅を使用している。新型ロードスターではこの導体をアルミニウムに置き換えることで,軽量化により人馬一体/Lot of Fun/低燃費化に貢献できると考えた。この2本の電線導体を銅からアルミニウムに置き換えることで,約66%低減となる500gの軽量化が見込める(Fig.6)。Weight(g)9008007006005004003002001000Copper Wire500gAluminum WireFig. 6 Weight Comparison-168-