ブックタイトルマツダ技報　2015 No.32

概要

マツダ技報　2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報倒的な存在感と生命感にあふれる姿を追求している。骨格・表情・造形・質感・コーディネーションを匠の技で磨き上げ,毎日をともにしたい唯一無二の存在だと思っていただけるクルマを目指した。2.デザインコンセプト2.1圧倒的な存在感と生命感にあふれたデザイン新型デミオでは,これまでのクラス概念を超えた圧倒的な存在感と生命感にあふれた新たなコンパクトカー像を目指した。これまで,より大きなクルマで培ってきたマツダのデザインテーマ「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」を,小さなボディーに凝縮し,再構築している。エクステリアでは,エネルギーの凝縮によって生み出される爆発的な前進感,踏ん張り感のある骨格を造り上げた。そして端正ながらも生き生きとした表情と,生命感あふれる造形を匠の技で造り込んでいる。インテリアでは,ドライビングに集中できるコクピットと抜けのよい助手席空間を鮮やかな対比でデザインし,細部に至るまで素材と形状を吟味して質感高く造り込んだ。また,自分のお気に入りの服を選ぶようにクルマのカラーコーディネーションを選べる「スタイルコレクション」では,スタイリッシュなラインアップを揃えた(Fig. 1)。ことで,爆発的な前進感を表現した。後半部は勢いよく跳ね上がるショルダーでリアエンドを高く突き上げ,エネルギーを溜めて緊張した凝縮感を表現し,前半部は前後にスピーディに抜けていく動きでエネルギーを一気に解放し,爆発的に前進する様子を肉感的に表現した。タイヤの配置にもこだわった。大地を捉える力強いスタンスを生み出すため,クラス最大径のタイヤを極限まで車体の四隅に配置して,ショートオーバーハング,ワイドトレッドとした。力強く張り出した前後フェンダーにより,タイヤを起点とする台形シルエットを造ることで,踏ん張り感と俊敏な走りを強調している。これらの力強い骨格をベースにして,鍛え上げられた筋肉を彷彿とさせる艶やかな立体造形を表現し,金属加工の限界に挑戦した匠の技で実現した(Fig. 2, 3, 4)。Fig. 2 Theme SculptureFig. 3 Cabin ProportionFig. 1 Exterior Overall View3.エクステリアデザイン3.1爆発的な前進感,踏ん張り感の構築エクステリアデザインでは「走りの骨格」を徹底して追求した。全高を低く抑え,他に類を見ないロングノーズ&コンパクトキャビンとすることで,SKYACTIVのパワートレインを強調しつつ,リアタイヤに荷重がかかったスポーティなシルエットとしている。このために,前モデルに対してフロントタイヤを80mm前へ移動するとともに,居住性を悪化させないようAピラーを立てながら付け根部分では約80mm後方へ移動している。また,ボディーの前半と後半で異なる動きを持たせるFig. 4 Wide Stance and Trapezoid Shape-9-