ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)(2)電線熱劣化寿命検証電線は,高温環境下で長時間使用していると,電線の絶縁体が硬化し,絶縁機能が損なわれ,断線やショートが発生する懸念がある。この状況を防ぐために,雰囲気温度の高いエンジンルーム等の高温環境下では電線熱劣化寿命検証を実施している。絶縁体の伸び率100% (4)を電線寿命とし,その範囲内で電線を使用するよう設計している。エンジンルーム内の雰囲気温度とアルミ電線の特性値を反映した通電時の電線温度上昇値を加味した電線熱劣化寿命検証を行い,基準内であることを確認した(Fig. 19)。■著者■三好俊充下河内次生100Life Rate (%)T1<100Use EnvironmentT1Temperature (℃)Fig. 19 Characteristics of Heat Life4.おわりにアルミ電線を車両に搭載するためには,3つの課題があった。新たにアルミ電線接続技術を導入し,車両搭載技術の開発及び,アルミ電線特性値を用いた電線検証の実施により,これらの課題を解決し,新型ロードスターにアルミ電線を搭載することに成功した。減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」ハーネスをアルミニウムに置換することにより,クルマ1台に使われるハーネス総重量の約3%にあたる500gの軽量化を達成した。アルミ電線の車両搭載技術は,軽量化にとって重要な技術であり,今後更に搭載量を拡大していく。今後もお客様に,より良い商品を提供できるよう努力する所存である。最後に,この開発にあたり多大なご指導とご協力をいただいた住友電装(株),(株)オートネットワーク技術研究所,古河AS(株)の皆様に感謝の意を表する。参考文献(1)高橋正好ほか:減速エネルギ回生システム“i-ELOOP”の開発,マツダ技報,No.30,pp.37-42(2012)(2)古河AS(株)提供資料(3)住友電装(株),(株)オートネットワーク技術研究所提供資料(4)日本自動車技術会規格JASO D 609-172-