ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
Va [cm 3 (STP)/g]No.32(2015)マツダ技報液と比較して示した。劣化前後でケミカルシフトに違いが見られていないこと,劣化後に新しいピークが検出されていないことから,今回の高負荷条件での試験では電解液は劣化にほとんど影響がないことが示唆された。p/p0Fig. 8 Specific Surface Area of the Activated CarbonFig. 10 13 C NMR Spectra of Electrolyte for the CapacitorFig. 9 Pore Distributions of the Activated CarbonTable 1 Calculated Cell Capacitance Ratio fromSeveral ElectrodesC +C- Ccell Before100%100%100%After72%95%82%* Theoretical Capacitance of Capacitor CellCcell:Capacitance of CellC+:Capacitance of Positive ElectrodeC -:Capacitance of Negative Electrode3.2電解液電解液は有機物であり,材料固有の分解電位を有している。高電圧では熱力学的に安定な電子状態から外れることになり,特に高温状態では電極表面上で不可逆な分解反応が加速度的に進行することが懸念される。このような高負荷状態で劣化したキャパシタの電解液に化学的な変化が生じていないかをNMRを用いて分析した。結果をFig. 10に示す。新品時の電解液成分を標準として,劣化後の電解3.3電極吸着サイトの減少は電極の有効面積の減少でもある。有効面積が20%減少し,面積当たりの抵抗が変化しなかったと仮定すると,“100÷80=125”となり約25%の抵抗上昇となる。実際は,約100%の抵抗上昇であるので,残りの75%分は有効面積以外に原因があると推定できる。静電容量には直接起因しなかった抵抗上昇の原因としては,電解液の分解物の堆積,気体発生,バインダや導電助剤のマイグレーションなどが考えられる。Fig. 11に劣化前後での電極断面のSEM像を示す。初期状態の電極は活性炭と導電助剤が均一に分散していることが分かるのに対して,劣化後の電極は導電助剤が偏在している箇所が散見され,ハレーションしている様子が確認できた。SEM像で現れるハレーションは,局所的な帯電を反映したものであり,部分的に低い導電率であることが推定される。炭素材料で構成される活性炭や導電助剤の導電率の低下は考えづらいため,電極内で唯一の絶縁物であるバインダの偏在の可能性が高い。バインダは導電助剤との親和性が高いため,結果的にハレーションが発生している部分には導電助剤も偏在していたと考えられる。BeforeAfterFig. 11 SEM Images of Stripping Surface forthe Electrode (Circle: Halation)-183-