ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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概要

マツダ技報 2015 No.32

No.32(2015)マツダ技報の圧力波を低く抑えることで低騒音化を図った。またロータギヤの歯数を減らすためモジュールを大きくとり,ギヤノイズの基本周波数を低周波側に寄せて車両搭載時にユーザが感知しにくくした。エンジンとジェネレータ間の動力伝達についてはベルト駆動とし,ダイナミックダンパを採用することで音,振動を低減している(Fig. 16,17)。始動時の振動に関しても,ユニットや車体,サスペンションなどの共振を避ける回転数での始動とすることで,ほとんど体感されないレベルとした。Unit MountPress-FitDynamic DamperHigh SpringConstantLow SpringConstantFig. 18 Unit Mount PropertiesFig. 16 Power Transmission Mechanism5.制御システム5.1システムコンセプトレンジエクステンダのコンセプト実現のため,制御システムコンセプトは以下とした。・レンジエクステンダをEV車のオプションとして提案できるように,既存EVシステムに後付けするシステムとする。Fig. 17 Tension Fluctuation Reduction Effect by DynamicDamper吸気系フレッシュエアダクトの開口を発電ユニット上部でかつ後方に向け配置し,音が室内に入りにくくするのと同時に水浸入を抑制した。車両搭載時のマウントには,振動伝達音低減のためにエンジンロール方向のバネ定数を低く,弾性中心をレンジエクステンダユニット重心に一致させることが要求される。レンジエクステンダでは,エンジン出力軸が鉛直方向であるためエンジン振動の起振力は水平方向に発生する。支持剛性が求められる上下方向とは独立したバネ定数設定が可能であるため,マウント特性を方向別に最適化した(Fig. 18)。更に,発電ユニット全体をマウント3点で支え,マウント位置を適切に配置することで,同一特性部品を使用しながら弾性中心を重心に一致させ,音,振動の低減を実現した。5.2 EV制御システムとの協調レンジエクステンダシステムは,シリーズハイブリッド自動車と同じエネルギーの流れとなるため,シリーズハイブリッド自動車であるマツダプレマシーハイドロジェンREレンジエクステンダーEVの制御システムを活用することが可能である。しかし,マツダプレマシーハイドロジェンREレンジエクステンダーEVの,発電と走行を1つのコントローラで統括するシステムでは,後付けが難しいため,走行に関係する制御は既存EVシステムから変更せず,発電機能である「発電実行の判断」「発電量の決定」「発電制御」のみを新規追加するレンジエクステンダシステムが担うこととした。5.3レンジエクステンダ制御システム既存EVシステムへの変更を避け展開を容易にするため,入力信号は一般的に車載ネットワークで通信されている信号を用いることとした。(1)発電実行の判断「EVの航続距離の不安を解消すること」を重視し,バッテリの残容量が十分にある場合はEV走行し,バッテリ残容量が少なくなった場合のみレンジエクステンダシステムを起動し発電することとした。(2)発電量の決定発電効率を重視して定点運転を行うと,車速にかかわら-195-