ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)ず同じ音が絶えず聞こえ,ユーザに違和感が生じる。そこで,Fig. 19に示すように,レンジエクステンダシステムでは静粛性を重視し,作動音を走行時の車両暗騒音に隠し,かつ車速に応じて音圧が変わるよう,発電量を変化させた。また,音圧だけではなく音質にも配慮し,発電効率,音質のバランスを考慮して発電ポイントを決定した。6.まとめREを使ったレンジエクステンダを開発し,以下の成果を得た。①ベースのデミオEVのトランクルーム下に収まるユニットを作成し,制御システム含め後付け可能なコンセプトを実現した。②発電運転において,EVの商品性に影響しないレベルの静粛性であることを確認した。③デミオEVに対し,約2倍の航続距離を可能とした。REの主要諸元含め従来経験のない要素を多く含んだレンジエクステンダユニットの開発はチャレンジングなものだった。今後も技術開発に飽くなき挑戦で立ち向かうことで,お客様に感動を提供し続けていきたい。Fig. 19 Background Noise and Range Extender Noise(3)発電制御発電量を制御するためには,エンジン発生トルクとジェネレータ吸収トルク及び,回転数を制御する必要がある。エンジン発生トルクを制御するには1サイクル以上を必要とするが,ジェネレータ吸収トルクの応答性はエンジン発生トルクの応答に対し非常に速い。そこで発電制御は,エンジン発生トルクに対し,それに見合ったジェネレータ吸収トルク,ジェネレータ回転数を実現するように高応答でフィードバック制御した。また,1ロータエンジンではエンジンのトルク変動から来る回転変動が大きく,ジェネレータ吸収トルク制御により回転変動を抑え込む従来の制御手法では発電電力が短い周期で変動し,バッテリの放電,充電に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで,この現象を防止するために,ジェネレータのフィードバック制御に用いる実ジェネレータ回転数に,回転速度に応じた平均化処理を施した。これにより,ジェネレータ吸収トルク制御が微細な回転変動に左右されることを抑制し,安定した発電電力を実現した(Fig. 20)。参考文献(1)森本ほか:プレマシーハイドロジェンREレンジエクステンダーEVの開発,Hマツダ技報,No.31,pp.137-142(2013)(2)藤中ほか:デミオEVの紹介,Hマツダ技報,No.30,pp.114-119(2012)(3)田島ほか:サイド排気ポート方式ロータリエンジンの概要,マツダ技報,No21,pp.18-23(2003)■著者■清水律治木ノ下浩伊藤達夫森健次稲田潤齋尾奈穂子Fig. 20 Generated Current Improvement byEqualization Processing数面宏昭-196-