ブックタイトルマツダ技報　2015 No.32

概要

マツダ技報　2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)4.4センターコンソール前席左右のシート間距離の拡大に伴い,クラスを超えた幅広のセンターコンソールを実現した。これにより,大型フロントトレイ,コマンダーコントロール,二つのカップホルダーとフレキシブルリアトレイなどの多彩な機能を盛り込むとともに,1クラス上の雰囲気を感じるデザインができた。またコマンダーコントロールには,手のひらで支えて操作を安定させるパームレストを採用した。4.5シートシートデザイン開発では,まずカラースタイルの世界観を決めてからそれにマッチしたシート形状を造るという,通常とは異なるプロセスを採った。フロントシートには優れたホールド性を持ちながら,前後方向の中心軸をしっかり感じるスピード感のあるテーマを採用した。また,肩の部分を可能な限り絞り込むことで,後席からの開放感を与えた。ハイグレード仕様ではショルダー部を立体的な形状としてスポーティなイメージを強調している。4.6匠の造形と高い質感へのこだわり新型デミオは,細部に至るまでコンパクトカーの概念を覆す圧倒的な質感表現を目指した。豊かな面造形と細部の質感は,匠のこだわりをもって造り込んだ。インストルメントパネル上面の膨らみやドアトリムショルダー部の表情などには,光と影が織りなす彫刻的かつ上質な造形表現を随所に取り入れた。表面処理では,サテンクロームやピアノブラック,光沢カラーパネルのハニカムシボ,カーボン調シボ,レザーとステッチの使い方など,素材の持つ質感を効果的に組み合わせることで,スポーティで質感高いインテリア空間を創出している。特に金属調パーツにはこだわり,削り出しのような精緻な表現や,鍛造のような強靭な表現など,パーツごとに表現を細かく変化させた。夜間照明色はすべて白色化し,洗練された上質さを表現した(Fig. 11, 12)。Fig. 11 Stunning QualityFig. 12 Stunning Quality5.カラーコーディネーション5.1スタイルコレクション新型デミオの特徴の一つが,個性の異なる複数のコーディネーションから選ぶ楽しさを提供する「スタイルコレクション」である。例えば数ある洋服の中から自分らしい一着を選ぶように,お客様が自分好みのスタイルを楽しみながら選ぶことで,クルマに自分らしさを表現し,より深い愛着を持てるようになると考えた。スタイルの選択には幅広い色域を設定し,ボディーカラーでは11色,インテリアカラーでは色と素材の組み合わせを5種類用意した。5.2部品の対応「スタイルコレクション」に対応するため,部品の構成を工夫した。ラジエーターグリルのバー,助手席前のパネル,コンソール前方のニーレストパネル,ドアアームレスト上下部,空調周りの加飾などをあえて分割部品とすることで,ステッチを施したレザー調ソフトパネル,光沢樹脂パネルなど,色だけでなく素材までもバリエーションを持たせている。5.3ボディーカラー新世代商品群で開発してきた質感の高い成熟した9色に,客層を広げる新開発の2色を加え,全11色を設定した。新色のダイナミックブルーマイカはスポーティさを追求し,強さを際立たせたピュアで鮮やかなブルーを造り上げた。もう一つの新色のスモーキーローズマイカは,艶やかな色味と硬質な輝きによってスタイリッシュな大人の美しさを表現した。その他に,ソウルレッドプレミアムメタリック,チタニウムフラッシュマイカ,ブルーリフレックスマイカ,ディープクリスタルブルーマイカ,アルミニウムメタリック,メテオグレーマイカ,ジェットブラックマイカ,スノーフレイクホワイトパールマイカ,アークティックホワイトをラインアップした(Fig. 13)。-12-