ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
HCCILean burnマツダ技報No.32(2015)Fig. 1 Status of ICE Efficiency御できる因子として,膨張比(圧縮比),比熱比,燃焼期間,燃焼タイミング,壁面熱伝達,ポンピング損失,機械抵抗(摩擦抵抗)の7つに分類できる( Fig. 2 )。SKYACTIV-Gガソリンエンジン及びSKYACTIV-Dディーゼルエンジンの開発においては,これらの制御因子を理想に近づけて究極の熱効率を実現していくことを目指した。以下,この制御因子のうち摩擦抵抗低減のためのキー技術として,エンジンのSKYACTIV技術の開発で活用したトライボロジ解析技術について紹介する。こさない設計が必要である。そのため,マツダのエンジン開発におけるトライボロジ領域でも,シミュレーション解析による予測検討が不可欠になっている。潤滑油膜のEHL(Elasto-Hydrodynamic Lubrication)シミュレーションをはじめ,構造解析,流体解析,機構解析など市販のソフトや開発した内製ソフトを駆使して種々の解析を連成したり組み合わせたりすることによって,要素技術開発から商品開発にいたるまで,さまざまな運転条件での潤滑状態を正確に机上予測し,最適な潤滑状態で運転できる仕様を決定している。そのために,大学や部品メーカなどに協力いただいて,精度検証のための先端の実験計測を実施し,予測結果の精度を検証して,どの程度の予測精度が得られるのか把握しながら,実用に供している。Fig. 3は,鳥取大学との共同研究により,ピストンスカート部の油膜をLIF(LaserInduced Fluorescence)で可視化して計測した例である(1)(2)。ControlfactorsComressionratioSpecificheat ratioCombustionperiodCombustiontimingHeat transferto wallPressure diff.Btw IN. & Ex.MechanicalfrictioncurrentMillercycleFrictionreductionDistance to ideal: FarSKYACTIV-GGasoline engineHigher CRFrictionreductionAdiabaticCloseIdealFINALAdiabaticSKYACTIV-DDiesel engineLower CROptimuminjectiontimingMechanicalloadreductioncurrenta) Visualization Engineb) Visualization System c) Visualized Oil FilmFig. 2 Ideal Vision of 7 Control Factors2.トライボロジ解析技術とエンジンへの適用2.1トライボロジ解析技術エンジンには摺動部分が多く,Table 1に示すように機械抵抗をはじめ,焼き付きや摩耗,異音などトライボロジに関連する諸問題が複雑に絡み合っている。これらの問題をバランスさせ,最も低摩擦で異音や信頼性問題を引き起Fig. 3 Visualization of Piston Skirt Oil FilmProvided by Tottori University2.2ピストン及びピストンリングの最適化ピストンは,エンジン摩擦損失の約3割を占め,燃費への影響が大きいことから,その摩擦低減が重要である。ピストン摩擦には,スカート部の摩擦とピストンリングの摩擦とがあるが,それらの寄与はおよそ半々になっている。Table 1 Relation of Engine Sliding Bearings and Its Tribological ProblemsPartsPortionFriction Loss Seizure Wear Strength LOCBBImpact NoisePistonPiston Skirt BearingSSMMMNSPiston Ring BearingSMMNSSSPiston Ring GrooveNNMMMMNPiston Pin BearingWMSMNNMCrankCrankpin Journal BearingMSSMNNMCrank Main Journal BearingMMMMNNSValvetrainCam vs. TappetSMSMNNSCamshaft BearingWWWMNNWVVL vs. CamNMSMNNNCamDriveTiming ChainWWSSNNSOthersBalancer Shaft BearingNWWWNNSInjector NeedleNSSNNNMInjector Pump BearingNSSNNNWRelationship S:StrongM:MediumW:WeakN:Nothing-204-