ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

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マツダ技報 2015 No.32

マツダ技報No.32(2015)2.6潤滑システムの抵抗低減SKYACTIV-G,SKYACTIV-Dエンジンでは国内初の技術となるオイルポンプ吐出圧の最適制御を採用した(Fig. 14)。その特徴を以下に示す。?エンジン回転数/負荷/暖機状態に応じて吐出圧を電子制御で2段階に切り替える?メインギャラリ油圧を直接検出してフィードバックすることにより吐出圧制御動作の無駄を排除するこの検討により,高回転と低回転でのオイルポンプの吐出仕事をそれぞれ最適化することができ,機械抵抗を改善した。オイルポンプ駆動力を新旧エンジンで比較した結果をFig. 16に示す。従来に比べ全回転域で幅広く駆動力が低下している。HeadMain GalleryO/CoolerO/FilterOilControllValveFig. 16 Comparison of Oil Pump Drive ForceFeedbackGalleryO/PumpControll Gallery3.おわりにFig. 14 Oil Supply Circuit Diagramオイルポンプの吐出圧を設定するために,潤滑油供給回路をモデル化(Fig. 15)して,実測油圧との合わせ込みを行い,各部への必要油量を供給するための要求油圧の検討を行った。ここに紹介したように,さまざまなトライボロジ解析を駆使することによりSKYACTIV-G,SKYACTIV-Dエンジンの摩擦損失を低減し,燃費を改善してきた。今後も,究極の高効率なエンジンを目指して更なる機械抵抗低減を行うために,トライボロジ解析技術の活用を進めていく。参考文献(1)大澤ほか:ピストンスカート部の潤滑油膜挙動の可視化と膜厚測定,自動車技術会計測・診断部門委員会企画シンポジウム「多様なニーズに対応する計測・診断技術」講演論文集(2011)(2)中川ほか:ピストンスカート部における潤滑油膜厚さの定量測定精度向上とクロスハッチ加工の有無が油膜に及ぼす影響,日本機械学会中四国支部第50期講演会前刷集(2012)(3)栗栖ほか:ピストンリング部の油膜可視化と油膜厚さ計算による潤滑油消費メカニズムの考察,日本機械学会年次大会前刷集(2013)(4)宮内ほか:境界潤滑を考慮した主軸受け弾性流体潤滑計算手法の研究,自動車技術会論文集,298-20075017(2007)Fig. 15 Oil Supply Circuit Model-208-