ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)(3)人体挙動再現ケース対象乗員は83歳男性,身長149cm,体重50kgであり,通常の着座であると考えられる。実際の傷害はFig. 12に示すように,AIS(Abbreviated Injury Scale)5の胸部血管損傷とAIS2の腹部膵臓損傷である。(2)項で述べた車体挙動のデータと3.2節で示したヒューマンモデルを用いて,乗員をスケーリングした上で挙動を再現した結果をTable 1に示す。(1)腰を前に出して着座しているケース特異な腰の着座姿勢として,腰を前に出した姿勢(当評価では150mm腰を前出し)を評価したところ,シートベルトが腸骨から外れ,サブマリン現象が発生した。その結果,Fig.13に示すように,胸部変位量は減少するものの,Fig. 14に示すように,腹部変位量が23 mmから57mmへ増加している。(2)シートベルトを脇の下に通しているケース特異なシートベルトの使用状態で,ショルダベルトを脇の下に通している場合,ショルダベルトが腹部に食い込み,Fig. 14に示すように,腹部の変位量が23mmから42mmへ増加している。Fig. 12 Injuries of the Elderly Rear Seat Occupant in theCaseTable 1 Summary and Passenger Simulation ConditionFig. 13 Thorax DisplacementFig. 14 Abdominal Displacement傷害確率との関係を示したリスクカーブを用いて確認した結果,ヒューマンモデルで再現した胸部変位量34mmは,80歳で重体相当のリスクであり,今回の事故の結果をほぼ再現している。また,車両側の状況として,Table1に示すように,シートベルトのショルダ側の伸び出し量とシートベルト擦過痕が一致しており,事故を再現できたと判断した。4.3乗員傷害に影響を及ぼす要因の分析ここでは前出の事故再現乗員挙動モデルを用いたケーススタディとして,リアルワールドで発生しうる着座姿勢とシートベルトの誤使用について評価した結果を紹介する。Fig. 15 Comparison of the Rear Passenger Behaviors-214-