ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)4.2システム性能検証複数人のドライバに5分ごとに疲労・注意力の低下を申告してもらい,その時の車両挙動データを用いてシステム性能検証を行った。システムの距離値がしきい値を超えたイベントと,ドライバが実際に疲労や注意力が低下したと申告したイベントを比較した一例をFig. 14とFig. 15に示す。Fig. 14のしきい値は20分間のドライバの運転特性を学習した結果から算出され,このしきい値を超える状態になった場合,疲労や注意力が低下していると判断する。Fig. 14のドライバ申告と比較すると,システムが疲労・注意力の低下を適切に検知できていることがわかる。たときに衝突被害軽減ブレーキを作動させ,車両を減速させることで,衝突による事故被害を軽減する(Fig. 16)。(2)AT誤発進抑制制御[後退時]10km/h以下の後退中(停止中含む),車両後方の障害物をシステムが認識している状態で,アクセルペダルが所定以上に踏み込まれた場合,ペダル操作やギア操作ミスと判断して,音と表示によってドライバに警報するとともに,エンジンのトルクを抑制し,急発進による衝突被害を軽減する(Fig. 17)。MT_ValueThresholdPrefill brake pressureCollision mitigation brakeFig. 14 MT Value & ThresholdFatigue / decreased attentivenessFig. 16 Autonomous BrakingEngine Torque suppressAwakingFig. 15 Ground Truth Data5.スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)& AT誤発進抑制制御[後退時]現在,前進低速走行中,わき見運転などによる前方車両への衝突被害を軽減するスマート・シティ・ブレーキ・サポート[前進時](SCBS F)を既に導入している。これに加え,車両後方の障害物に気づかずに後退してしまったり,ブレーキペダルを踏むつもりが誤ってアクセルペダルを踏んでしまったりすることによる車両後方の障害物への衝突被害を軽減するシステムを新たに開発した。Fig. 17 Acceleration Control for AT5.2システムの構成システムはソナー・センサ/パーキングセンサモジュール(PSM),ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)ユニット,パワートレイン・コントロール・モジュール(PCM),ボディ・コントロール・モジュール(BCM)及びメータで構成される(Fig. 18)。5.1システムの機能システムは,車両後方の障害物との衝突の危険性が高まった場合に,自動ブレーキ制御,あるいは,エンジントルク抑制を行うことで衝突被害を軽減するシステムである。大きく分けて,以下の2つの機能がある。(1)SCBS R約2~8km/hで後退している際に,車両後方障害物との衝突時間を計算し,衝突の危険性が高まっていると判断しFig. 18 System Architectureリヤ・バンパに設置されているソナー・センサと,車室内に設置されているPSMにより,車両後方の障害物を検知-220-