ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)定常で出力計測し,次に,受光部の反射光を高速度カメラ(5μs/1コマ)で撮影し,レーザ輝度を算出する。この結果からレーザ出力と輝度の関係を捉える。その後,この受光部に同レーザをパルス照射し,過渡状態での反射光の輝度を算出する。この輝度の過渡変化と,先程の出力と輝度の関係を用い,レーザ立ち上がり出力を特定する。Fig. 6に出力調整したレーザのパワーメータ計測値と,その時の反射光の輝度を示す。この結果,出力と輝度は2次式で補完可能なことが判明した。Fig. 7に受光部へレーザをパルス照射し,反射光を高速度カメラで撮影して算出した輝度を示す。これによると,レーザは起動後(時刻0μs)から50μsで照射が始まっている。また,レーザ出力が安定的ならば矩形波を示すはずだが,起動直後はスパイク状を示しており,その後,数百μsは出力が安定する。よって,このレーザは起動直後に出力がオーバシュートする特性がある。しかし,輝度波形はオーバーレンジせず捕捉しており,レーザ立ち上がり出力は特定可能と判断した。(3)レーザ吸収率の測定レーザ光は照射面の吸収率に応じて吸収される。よって,遮熱材表面や測温部に照射される熱流束の特定には,測温部の吸収率が必要である。この確認のため,センサ測温部と同一構造のテストピースを製作し,分光光度計にて測温部の吸収率を測定した。その結果,遮熱膜センサ測温面(Ag表面)は,波長532nmで吸収率7.78%であった。(4)センサ測温部表面での横方向熱移動の影響センサ測温部はφ1.5mmだが,測温部のみにレーザを照射することは困難であり,実際は測温部以外へもレーザが照射される。しかし,測温部以外に照射されたエネルギーが横移動して測温部に温度変化を与える可能性がある。この確認のため,レーザ出力をレーザ立ち上がり評価の出力に固定して500μs間パルス照射し,センサ測温点を中心とした同心円の複数スリットにて照射面積を変更させ,センサの出力変化を確認した。Fig. 8にその結果を示す。この図によると,φ2.0mmとφ3.0mmは同温度だが,φ1.5mmはこれらより低い。つまり,φ1.5mmではレーザ照射されない測温部があるが,φ2.0mm以上なら全測温点にレーザ照射されると推測する。また,懸念していた横方向への熱移動の影響はないと判断できる。(5)遮熱材表面温度の計算方法遮熱材表面温度の算出は,境界条件として,入射熱流束にレーザエネルギーの立ち上がり出力,背面温度にセンサ基材後端部に取り付けた熱電対で計測した値を設定し,非定常1次元熱伝導方程式をコントロールボリューム法で離散化し,完全陰解法を用いて行った。(6)遮熱壁温センサの応答速度評価結果以上の結果から確認されたレーザエネルギーと照射条件にて実施した遮熱壁温センサ測温結果,遮熱材表面温度計算結果,遮熱壁面温度63.2%ラインをFig. 9に示す。Voltage [mV]Fig.5 Ag-Ni Thermo Electromotive ForceFig. 6 Relationship between Laser Power and Brightness4003503002502001501005000 50 100 150 200 250 300Time [μs]Fig. 7 Initial Rise Time and Laser BrightnessTemperature [℃]Power Meter Output [W]Laser Brightness [Intensity]201510503.02.52.01.51.00.50.021.2520.7520.250200400600800Temperature [℃]y = 3E-06x 2 + 0.0049xR2 = 0.99990 100 200 300 400 500Laser Brightness [intensity]Slitφ1.5 Slitφ2.0 Slitφ3.019.750 100 200 300 400 500 600Time [μs]Fig. 8 Relationship of Thermocouple Temperature andSlit1.2Calculated Insulation Coating1.0Surface Temperature0.863.2% Line0.60.40.2Measured Thermo0.0Couple Temperature-0.2-50 0 50 100 150 200 250Time [μs]Fig. 9 Response Speed of Thin Film Thermocouple SensorTemperature shift [℃]-224-