ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報着目し,これにより速やかなPMの酸化除去を実現してきた(1),(2)。今回,更なるPM酸化反応促進を目的とし,高酸素イオン伝導材料の電子伝導性の向上及び,材料表面の酸化能力を高める貴金属の担持状態に着目し,優れたPM酸化触媒を開発したのでこれを紹介する。2.触媒担持型DPFによるPMの酸化触媒担持型DPFの内部構造をFig. 1に示す。排出ガス中に含まれるPMは,DPF内部において,セラミックスからなる多孔質壁によって捕集される。捕集されたPMは,多孔質壁にコーティングされた触媒によって酸化される。PMの酸化反応(C+ O2→CO2)を促進するためには,触媒からの反応性の高い酸素種でPMを酸化することが有効となる。マツダが開発した高酸素イオン伝導材料からなるPM酸化触媒は,Fig. 2に示すように,気流中酸素を内部に取り込むと同時に活性な格子酸素を放出する酸素交換反応に優れている(1),(2)。この特性により,PMに活性な酸素を多量に供給することができるため,優れたPM酸化速度を実現することが可能である。3.触媒材料コンセプトPM燃焼を促進するために,酸素イオン伝導材料の更なる酸素交換能の向上を検討した。酸素交換に伴うPM酸化反応の反応式は,①O2+ 4e-→2O2- (酸素の取り込み)②C+ 2O2-→CO2+ 4e- (酸素の脱離に伴うPMの酸化)で表されるが,反応式で示されるように,電子の授受が必要となる。そこで,酸素イオン伝導材料に高い電子伝導性を付与することがPM酸化反応促進につながると考え,電子伝導性を高める元素として,Prの添加を検討した。Fig. 1 Internal Structure of a Catalyzed DPFFig. 3 Difference between Gas-catalyst andPM-catalyst ReactionFig. 2 PM Oxidation Reaction over the Oxide-ionConducting MaterialFig. 3に示すように,触媒によるガス浄化反応は,ガスが,触媒粒子の凝集体である触媒2次粒子中の細孔内に容易に拡散し,反応が進む。一方,固体であるPMの酸化反応は,大半のPMは触媒の細孔よりも大きいため,細孔内-247-