ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
マツダ技報No.32(2015)に入り込むことができず,触媒2次粒子表面の接触反応が主体である。そのため,触媒2次粒子表面に活性なサイトとなる貴金属を局所的に集めることで,高酸素イオン伝導性材料による酸化活性を更に向上できると考えた。化され生成する各一酸化炭素及び二酸化炭素種(C16O,C16O2,C16O18O)の濃度を四重極質量分析計で測定した。放出された16Oを含む一酸化炭素及び二酸化炭素種の量から,格子酸素によるPM酸化性能を評価した。4.実験方法4.1触媒仕様酸素イオン伝導性に優れるZr-Nd-O(従来触媒)および,PrもしくはCeを置換固溶したZr-Nd-Pr-O,Zr-Nd-Ce-O(Pr及びCeは等mol量を添加)を共沈法により調製した。各触媒の物理的特性をTable 1に示す。各触媒は,DPF再生時のPMの酸化で曝される高温条件を考慮し,800℃24hの高温エージング処理後のものを用いた。Fig. 4 Schematic of Test Method for Carbon OxidationPropertyTable 1 Surface Areas and Pore Volumes for SamplesSurface Area(m2 /g)Pore Volume(cm 3 /g)FreshAgedFreshAgedZr-Nd-O104610.580.52Zr-Nd-Pr-O37280.230.12Zr-Nd-Ce-O85780.600.46(4)電気伝導度測定各触媒の酸素イオン伝導性や電子伝導性について検討するために,電気伝導度を測定した。測定試料の加工として,触媒粉末をプレスしてディスク状に成形し,1000℃で焼成した後に,切削・研磨により矩形上に成形し,電極を取り付けた。直流四端子法を用いて,電気伝導度の温度依存性及び酸素分圧依存性を評価した。4.2触媒の物理化学特性の評価(1)酸素吸蔵放出特性CeやPrを含む酸化物で生じる,価数変化を伴った酸素吸蔵放出反応について,H2ガスを用いた昇温還元法(H2-TPR)による解析を行った。解析には整粒したペレット状の触媒を用いて,雰囲気中のH2と触媒に吸蔵されるO2との反応によって生成されるH2O濃度を測定することで,昇温過程での酸素放出量を調べた。各ガス濃度は,四重極質量分析計で測定した。(2)酸素交換反応特性気相中酸素と格子酸素の酸素交換反応特性(2)については,同位体トレーサ法を用いて解析した。解析には酸素吸蔵放出特性評価と同様に,ペレット状に加工した触媒を用いた。同位体酸素( 18O2)を流通させ,触媒内部酸素( 16O)との反応で生成する酸素種( 16O2, 16O18O)の濃度を四重極質量分析計で測定した。脱離した16Oの量から,酸素交換反応特性を評価した。(3)格子酸素によるPM酸化反応の解析酸素交換反応で脱離する格子酸素によるPM酸化反応について,同様に,同位体トレーサ法を用いて解析した。触媒粉末とカーボンブラックの重量比4:1として,めのう乳鉢を用いて1分間混合するタイトコンタクト条件で処理した試料を用いた。Fig. 4に示すように,ガラスチューブに試料を挿入した状態で同位体酸素を流通させ,昇温によって触媒内部酸素( 16O)及び雰囲気中酸素( 18O)で酸4.3 PM酸化性能評価(1)モデルガスによるPM酸化性能評価PM酸化性能をモデルガス条件で評価した。評価装置の概略図及びモデルガス条件をFig. 5に示す。Fig. 5 Evaluation Apparatus and Test Conditions forModel Gas Evaluation Using a Catalyzed DPF SampleDPF担体には材質がシリコンカーバイド(SiC)のものを用いた。触媒をコーティングした担体から評価用試料(25cm3)を抜き出し目封じ加工を行ったものにカーボンブラックを5g/L堆積させた。580℃まで窒素雰囲気中で昇温し,温度が安定化した後にモデルガスに切り替え,排出されるCOおよびCO2濃度と経過時間からPM酸化速度を算出した。-248-