ブックタイトルマツダ技報 2015 No.32
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マツダ技報 2015 No.32
No.32(2015)マツダ技報(2)実機によるPM酸化性能評価PM酸化性能評価に用いたエンジン及びDPFシステムをTable 2に示す。Table 2 Specifications of Engine for Dyno EvaluationNd-O)に対して,Ceの固溶では約1.8倍,Prの固溶では約2.6倍となった。以上の結果より,Zr-Nd-OにPrを固溶することで,酸素交換反応によって酸化活性の高い格子酸素が脱離する特性が向上し,優れたPM酸化性能を示すことを確認した。SpecificationCombustion TypeDirect InjectionDisplacement2.2LFuel InjectionSystemCommon Rail SystemDPFシステムはDPF前段にフロースルー型酸化触媒を配置した。DPFの担体にはモデルガス評価と同様にSiC製の担体を用いた。評価はDPFにPMを7g/L捕集させた後,エンジンの燃焼制御によりDPF入口温度で640℃まで昇温させ,経過時間からPM酸化速度を算出した。5.結果と考察5.1 Zr-Nd系酸素イオン伝導性材料へのPr添加効果(1)酸素交換反応特性ディーゼルエンジンのような酸化雰囲気の条件下において,酸素交換反応がPM酸化の促進に重要と考える(3)。100~600℃の昇温中に各触媒から酸素交換反応によって放出された内部酸素( 16O)の積算量をFig. 6に示す。Fig. 7 Cumulated Amount of Carbon Oxidized by 16 ODesorbed from the Catalysts in 18 O25.2 Pr固溶によるPM酸化性能向上メカニズムの検討(1)酸素吸蔵放出特性H2-TPR法により測定した各触媒の酸素吸蔵放出特性(100~600℃の放出酸素の積算量)をFig. 8に示す。Fig. 6 Cumulated Amount of 16 O Desorbed fromthe Catalysts in 18 O2いずれの試料についても,酸素交換反応が生じたが,従来触媒(Zr-Nd-O)に対して,Ceの固溶では16Oの脱離量は約2倍程度だが,Prの固溶では約14倍となり,酸素交換反応特性が向上した。(2)格子酸素によるPM酸化反応酸素交換によって脱離する格子酸素により酸化されたカーボンの量(100~600℃までの積算量)をFig. 7に示す。格子酸素に酸化されたカーボン量は,従来触媒(Zr-Fig. 8 Cumulated Amount of Released Lattice Oxygenfrom the Catalysts under a Reducing Condition in H2Zr-Nd-Oは価数変化を生じる元素を含まないため,還元条件においてほとんど酸素の放出が生じない。価数変化を生じる特性を有するCeを固溶すると,酸素放出が顕著に生じた。これに対して,同じくPrは価数変化を生じやすい元素であるが,Zr-Nd-Oに固溶させた場合については,酸素放出量が少ないことから,価数変化が生じにくいことが確認できた。(2)電気伝導特性酸素イオン伝導材料中の酸化活性の高い内部酸素による-249-